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「行く」・「来る」をヤブといった


昔の町並みイメージ佐野方言では、かつて「行く」とか「来る」ことを、ヤブといいました。

子どもが学校へ行く時間なのに、もたもたしていると、父親がやきもきして、「ぐずぐずしてネーデ、さっさとヤベー」などと怒鳴りつけたものです。「ヤベー」は行きなさいという意味です。

明治生まれの父親は勇ましい雷親父(かみなりおやじ)でした。久し振りに会った友人が、酒でも飲みながら、世間話でもしようと思って、「今夜、オレンチでいっぱいヤンベー、ヤベヤ」というので、家に帰りさっそくそのことを妻に話したら、「ジャー、ヤベバー」ということで快く(こころよく)出かけました。

「ヤベヤ」(来ないか)も「ヤベバ」(行けば)も親しい間柄で交わされることばです。ヤベヤ・ヤベバには敬意がないので、目上の人、年上の人に使うことはできません。そこで目上の人には「お出でくださいよ」に相応する「……ヤバッセナ」が使われました。「セ」には軽い敬意が含まれているからです。「ヤブ」は、古語の「歩(あゆ)ぶ」が訛(なま)ったもので、本来歩いていく、歩いて来るという意味です。

明治までは、電車も自動車も自転車もありませんでした。どこへ行くにも歩きでしたから、ヤブは当時の生活にぴったり結びついていたことばでした。昭和以降になると、乗り物による行き来が多くなり、それに合わせるように、ヤブが消えてしまったのです。時代に合わなくなった方言の一つですね。

(市民記者森下喜一)
 
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