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「倒れる」も「引き返す」も同じ方言


濁流の写真台風の過ぎ去った朝、周囲のようすを見て回ろうと、杖をつきながら散歩に出かけたお年寄り(男性)が、間もなくして戻ってきました。そして家族の者に、次のようなことをいいました。

「オーカンにデッケー杉の木がヒックルケッテタモンダカラ、ソッカラ先へは行ゲネンデ、シャーネー、ヒックルケッテ来チャッタヨ」(道路に、大きな杉が倒れていたので、そこから先へは歩いて行くことができず、仕様がなく引き返してきたよ)

今ではほとんど使わなくなってしまいましたが、かつては大通りを、「オーカン」(往還)といっていました。人や馬車などが往(い)き還(かえ)りする道だったからです。佐野では、「倒れる・引っ繰(く)り返る」も、意味の異なる「引き返す・戻る」も、ヒックルケル(ヒックルケール)という方言で通用します。倒れる意のヒックルケルは、「引っ繰り返る」が訛(なま)ったものです。

これに対して、引き返す意のヒックルケルは、「引っ繰り返る」の意味が変化したものです。「引っ繰り返る」という共通語には、前後が逆になるという意味があって、前進する意が後退する意になり、これがさらに変化して引き返すという意味に変ったというわけです。ちなみに、前記以外に「倒れる・引っ繰り返る」には、ヒッケル・オッケルという方言もありますし、「引き返す・戻る」には、ヒッケル(ヒッケール)という方言もあります。

(市民記者・森下喜一)
 
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