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泥深い田んぼを、ドンベッタとかヌカリッタなどという


「泥土」に関連する方言のうち、日常的によく使われている(あるいは使われていた)ものを取り上げてみました。雪が解けたり、霜が解けたりすると、地面が粘土状になり、泥深いくぼみができたりします。このようにどろどろになったところを、ヌカリットまたはヌカリッタマといいます。

「うっかりわき見して歩いてたら、ヌカリッタマにツッペッチャッテ(足を踏み入れて)さあ、ジョーリ(ぞうり)もキモン(着物)のソソ(すそ)も、ゼーンテ(すっかり)ビッチョビチョ(びしょびしょ)ンなっチャッた」

ヌカリットの「ト」は、「ところ」という意味。ヌカリッタマの「タマ」は、泥がたまっている「くぼみ」という意味です。特に泥深くてどろどろしている田んぼは、ドンベッタ、略してドンベともいいます。泥深い田んぼなのでドロップケータ、ぬかるみが多いのでヌカリッタともいいます。山ぎわの湿地であっても、稲の栽培は可能だということから、昔はそこを整地して田んぼにしました。これを飛駒地域ではサワッタ、仙波地域ではヤタ、御神楽地域ではドンベッタなどといいます。だが水温が低く、収穫は少なかったといわれています。

「ヤタの田植えは、ドロップケートコ(泥深いところ)と、そうでネートコがあって、足もからだも思うように動けネーから、仕事がはかどンネーよ」

今では、サワッタとかヤタということばは消えてしまいました。ヤタはアイヌ語のヤチ(湿地)が変化したものといわれています。


(市民記者 森下喜一)
 
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