AEDを用いた心肺蘇生法

更新日:2021年09月08日

【救命処置の流れ】

救命処置の流れ(AEDを用いた心肺蘇生法)

 

救命処置(AEDを用いた心肺蘇生法)

【1.傷病者発見・安全確認】

傷病者発見

・誰かが突然倒れるところ、倒れているところを発見したら、近づく前に周囲の安全を確認します。車が通る道路などの場合は、特に注意します。必ず自らの安全を確保してから近づきます。

【2.反応(意識)を確認する】

反応の確認

・傷病者の耳元で「大丈夫ですか」または「もしもし」と大声で呼びかけながら、肩をたたき、反応があるかないかを確認します。

反応がある場合

・反応があれば、傷病者の訴えを聞き必要な応急手当を行います。

反応がない場合

119番通報依頼 AEDの手配

・反応がない場合やその判断に自信が持てない場合には、「誰か来て下さい。人が倒れています。」と周囲の人に助けを求めます。協力者が駆けつけたら、「あなたは119番通報して救急車を呼んで下さい。」「あなたはAEDを持ってきてください。」と具体的に依頼します。

【3.呼吸の確認】

呼吸の確認

・傷病者が「普段どおりの呼吸」をしているかどうかを確認します。傷病者のそばに座り、10秒以内で胸やお腹の上がり下がりを見て判断します。

回復体位

・反応はないが「普段どおりの呼吸」をしている傷病者や吐物などによる窒息の危険があるときに「回復体位」を行います。

・傷病者を横向きにし、下あごを前に出して気道を確保し、上側の手の甲に傷病者の顔を乗せます。

・上側の足を約90度曲げ、仰向けにならないようにします。

【4.胸骨圧迫】

・傷病者に「普段どおりの呼吸」がない場合、あるいはその判断に自信が持てない場合には胸骨圧迫を行います。胸の左右真ん中にある胸骨の下半分を、重ねた両手で強く、速く、絶え間なく圧迫します。

胸骨圧迫の位置
手掌基部
胸骨圧迫

胸骨圧迫のポイント

1.強く(約5センチ)

2.速く(100~120回/分)

3.絶え間なく(中断を最小にする)

【5.人工呼吸】

・30回の胸骨圧迫が終わったら、直ちに気道を確保し人工呼吸を2回行います。

気道確保

気道確保(頭部後屈あご先挙上法)

・傷病者の、のどの奥を広げて空気を肺に通りやすくします。

・片手(頭側)を額にあて、もう一方の手の人差し指と中指の2本を、あご先にあて、頭を後ろにのけぞらせ、あご先を上げます。

人工呼吸

人工呼吸(口対口人工呼吸法)

・気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみます。

・口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして、息を約1秒かけて吹き込みます

・いったん口を離し、同じ要領でもう1回吹き込みます。

 

人工呼吸のポイント

1.2回の吹き込みで、いずれも胸が上がるのが理想ですが、もし、胸が上がらない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫を再開します。

2.人工呼吸をしている間は胸骨圧迫を中断しますが、その中断時間は、10秒以上にならないようにします。

3.傷病者の顔面や口から出血している場合や、口と口を直接接触させて口対口人工呼吸を行うことがためらわれる場合には、人工呼吸を省略し、胸骨圧迫のみを続けます。

4.感染防護具(人工呼吸用マスクや一方向弁付きの感染防止用シート)を持っていると役立ちます。持っていなければ、ハンカチなどを代用します。

【6.心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)の継続】

・胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。

・胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30:2のサイクル)を、救急隊員と交代するまで絶え間 なく続けます。

・人工呼吸ができない場合には、胸骨圧迫のみを行います。

【7.AEDの使用手順】

・心肺蘇生を行っている際に、AEDが届いたらすぐにAEDを使う準備を始めます。

・AEDにはいくつかの種類がありますが、どの機種も同じような手順で使えるように設計されています。AEDは、電源を入れると、音声メッセージと点滅するランプで、あなたが実施すべきことを指示してくれます。落ち着いてそれに従ってください。

・AEDを使う準備をしながらも心肺蘇生をできるだけ続けてください。

AED持参

1.AEDを傷病者の近くに置きます。

AED

2.AEDの電源を入れます。

・AED本体のふたを開け、電源ボタンを押します。(ふたを開けると自動的に電源が入る機種もあります)

・電源を入れたら、それ以降は音声メッセージと点滅するランプの指示に従って操作します。

パッド貼付位置

3.電極パッドを貼ります。

・傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。

・電極パッドの袋を開封し、電極パッドをシールからはがし、粘着面を傷病者の胸の肌にしっかりと貼り付けます。

・機種によっては、電極パッドのケーブルのコネクタを、AED本体の差込口に差し込むものがあります。

 

電極パッドを貼る場合

・傷病者の胸が濡れているとき

濡れているときは、タオルなどで拭き取ってから電極パッドを貼ります。

・胸に貼り薬があり、電極パッドを貼る際に邪魔になるとき

薬が貼られている場合は、それをはがして、肌に残った薬剤を拭き取ってから電極パッドを貼ります。

・心臓ペースメーカーや除細動器が胸に植え込まれているとき

胸の皮膚が盛りあがっており、下に固いものが触れるのでわかります。出っ張りがあるときは、そこを避けて電極パッドを貼ります。

解析中は触れない

4.心電図の解析

・電極パッドを貼り付けると「体に触れないでください」などの音声メッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。このとき、AEDの操作者は「みなさん、離れて」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認します。

・解析後に「ショックが必要です」または「ショックは不要です」などの音声が流れます。

ショック不要の場合は、胸骨圧迫

・「ショックは不要です」といった音声メッセージの場合は、直ちに胸骨圧迫を再開します。

電気ショック実施

5.電気ショック

・電気ショックが必要と解析した場合は、「ショックが必要です」といった音声メッセージとともに自動的にエネルギーの充電を始めます。

・充電が完了すると、「ショックボタンを押して下さい」といった音声メッセージとともに、ショックボタンが点灯して、充電完了の連続音がでます。

・AEDの操作者は、「ショックを行います。みなさん、離れて」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認してショックボタンを押します。

 

ショック後は、胸骨圧迫を再開

6.心肺蘇生の再開

・電気ショックを行ったら、直ちに胸骨圧迫を再開します。

・再開後、2分ほど経つとAEDが自動的に心電図の解析を行いますので、音声メッセージに従ってください。

【新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた心肺蘇生法】

新型コロナを対する心肺蘇生法

マスクを着用する

必ずマスクを着用する

鼻と口にハンカチなどをかけエアロゾル対策

鼻と口にハンカチなどをかける

この記事に関するお問い合わせ先

佐野市消防本部警防課

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栃木県佐野市富岡町1391
電話番号: 0283-23-9383 ファクス番号:0283-22-4441
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