令和8年4月1日から下水道使用料を改定します
改定の理由
下水道事業は、人口減少等による排水需要の減少から、下水道使用料収入の増加が見込めない一方で、施設の老朽化に伴う更新需要の増加や物価高騰に伴う維持管理費の上昇等により、経営環境が大変厳しい状況です。
汚水処理にかかる費用は、使用料収入を財源とすることが原則ですが、佐野市では汚水処理にかかる費用を使用料収入で賄えておらず、この不足分を一般会計から財源補填を受けている現状にあり、佐野市全体の財政運営にも負担を強いている状況です。
安定した下水道サービスを維持し、将来にわたり健全な下水道事業の運営を図るため、平成23年に改定して以来、据え置いていました下水道使用料を改定することになりました。
1立方メートル当たりの単価を平均で約12パーセント引き上げます。
皆様にはご負担をおかけいたしますが、今後もより一層の経費削減や経営の合理化など、経営改善に取り組んでまいりますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願いします。

改定までの経緯
佐野市下水道事業経営戦略の策定(令和3年3月)
下水道事業の中長期的な経営計画である「佐野市下水道事業経営戦略」を令和3年3月に策定しました。
施設の老朽化や人口減少等により、現行の使用料収入では健全な事業経営が困難となる見通しであることが明確となりました。
下水道使用料の改定に関する審議(令和3年12月)
有識者や各種団体の代表者で構成される「佐野市下水道使用料審議会」に諮り、審議が行われた結果、下水道使用料改定に対する答申が出されました。
佐野市下水道使用料審議会の答申 (PDFファイル: 118.8KB)
改定の延期(令和4年)
下水道使用料審議会の答申を踏まえた改正条例案を市議会に上程する予定でしたが、当時の本市における社会経済状況がコロナ禍やウクライナ危機、円安による物価高騰などにより、市民生活に大きな影響を与えていることなどを踏まえ、改正条例案の上程を延期しました。
佐野市下水道事業経営戦略の改定(令和7年3月)
令和3年3月に策定した「佐野市下水道事業経営戦略」の見直しを行ったところ、経営環境の悪化に伴う、使用料改定の必要性が明確となりました。
改定の延期を解除(令和7年)
本市の社会経済状況を注視しながら、改定実施の時期を模索してまいりましたが、物価高騰による市民の方々への影響は長期化している状況にあります。
しかし、その間も下水道事業の経営は大変厳しい状況になっており、加えて近年の物価やエネルギー価格の高騰、人件費の上昇等は工事費や維持管理費の増大となり、経営を圧迫しています。
これ以上、改定を延期し続けた場合、老朽化対策や耐震化への資金が不足することになり、安定した経営を行うことができなくなります。
こうした状況を踏まえ、令和7年12月議会へ改正条例案を上程し、議決を経て決定しました。
改定後の下水道使用料体系

改定後の請求額の例(2か月分:税抜)

現行使用料と改定後使用料の比較(2か月分:税抜)

改定後の下水道使用料の適用時期
改定後の下水道使用料(2か月)は、令和8年4月1日以降に算定する下水道使用料から適用となります。
令和8年3月31日以前から継続して下水道を使用している方については次のとおりになります。
〇偶数月検針の方
令和8年4月検針分は現行の使用料が適用され、令和8年6月検針分以降から改定後の使用料が適用となります。
〇奇数月検針の方
令和8年5月検針分は現行の使用料が適用され、令和8年7月検針分以降から改定後の使用料が適用となります。
よくあるご質問(FAQ)
Q:改定はどのようにして決まりましたか。
A:有識者や各種団体の代表者で構成される佐野市下水道使用料審議会に諮り、審議が行われた結果、下水道使用料改定に対する答申が出されました。この答申を踏まえて決定した改定案が、令和7年12月議会での議決を経て決定しました。
Q:経営努力はしていますか。
A:農業集落排水事業で整備した5地区を公共下水道に統合し、処理施設を廃止しました。
汚泥処理過程で発生する消化ガスを利用した消化ガス発電および、敷地の有効活用として太陽光発電を行っています。
水処理センター及び中継ポンプ場の維持管理について平成31年から包括的民間委託を導入しています。
下水道マンホール蓋を活用した有料広告掲載事業を行っています。
消化ガス発電設備
太陽光発電設備
マンホール蓋広告
Q:下水道使用料改定ではなく、税金を投入すればよいのではないですか。
A:下水道事業は、事業によって得られる収入で経費を賄う独立採算により事業を運営している公営企業です。下水道は特定の方が使用していることから、汚水処理に要する経費は使用者にご負担いただき、その収入で汚水処理経費を賄うこととなっています。
Q:下水道使用料を改定しないとどうなりますか。
A:改定を先延ばしにすると、今後改定する際にさらに大きな値上げ幅となります。
Q:佐野市の下水道使用料は栃木県内他市と比べて、どの程度ですか。
A:栃木県内14市の下水道使用料を1ヶ月あたり20立方メートルで比較しますと、現行の使用料は県内でもっとも低い料金となっています。
改定後も県内でもっとも低い料金のままです。

Q:水道料金の改定はありますか。
A:今回は水道料金の改定はありませんが、下水道事業同様に水道事業の経営環境は大変厳しい状況にあるため、今後、改定に向けて慎重な検討を進めていく予定です。
Q:今後も下水道使用料を改定する予定はありますか。
A:令和6年度に策定した下水道事業の中長期的な経営計画である「佐野市下水道事業経営戦略」では、今回の改定に続き、段階的な改定が必要であると見込んでいます。今後についても、定期的に経営戦略及び使用料体系の見直しを行ってまいります。
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更新日:2025年12月22日