企画展
Exhibitions
開催中の企画展
田村耕一 壺の趣展
会期
令和7年3月21日(金曜日)~令和7年6月29日(日曜日)
開館時間
午前9時~午後5時
入館料
無料
本展について
田村耕一 壺の趣展
古来から呼ばれる「壺」は古陶磁にみる「種壺(たねつぼ)」や「薬壺(やっこ)」又「水甕(みずがめ)」や茶葉を入れる「茶壺(ちゃつぼ)」のような生活の中から必需なる物の保存容器として生まれ伝承されてきたものが多くを占めます。近代から現代に於いてはその用途は無くなり装飾用として置かれる事はあっても必需品ではなくなってしまったのです。そこで近代の巨匠であり田村の師でもあった色絵磁器の人間国宝 富本憲吉や田村の良きライバルでもあった藤本能道らが「壺はそれを置くことでその場の空気感が変わるだけの存在物としての役割を成すものであり、そこに花を挿すことでまたその空気は華やぐものとなり、ひとつの壺が工芸としての役を成しているのである… 」ということから田村も時折花を活け楽しんでいただきたい、と思う筒形の花瓶や少しふくらみを持った縦長の壺に「花壺(はなつぼ)」と箱書きをしたモノが存在しております。田村耕一の「壺」に対する思いは人一倍大きく涯を通して様々なカタチを試みながら独自の趣ある作風を作り出しております。特筆すべきは朝鮮の李朝期に焼かれた「白磁」や「染付」の壺類がその根底に強くあったように思われますが、一方では「信楽(しがらき)」の「蹲(うずくまる)」という侘(わ)び寂(さ)びを強く感じるもっこりとした形状を白磁や染付の磁器による作品に取り入れ、磁器の概念には全く無かった肉厚で鈍重なつくりを持つ田村耕一流の白磁や染付の新しい世界を創り上げたのでした。
このように田村耕一の陶芸作品にはその時その時代の中で常に「美しいモノ」とは、
そして「こころ打たれるモノ」とは…「それをどのようなカタチでどう表現すれば良い
のか…」の想いを強く持っていて、造り、と釉薬、そして文様との構成、更には焼成方法、と思考を重ねながらロクロ目の効いた壺のカタチの中に躍動感のあるその鉄絵の
デザインが生かされた「雅趣豊かな壺」が次々と生まれて来たのです。
今展は晩年よりも初期から中期に見る押さえの効いた田村耕一ならではの壺36点
を厳選し、その美的な趣(おもむき)を感じていただきたく企画いたしました。
メイン作品
てつえそうかもんつぼ
鉄絵草花文壺
これからの企画展
令和7年度の企画展
会期・内容
令和7年7月4日(金曜日)~令和7年11月9日(日曜日)「田村耕一の世界展」
令和7年11月14日(金曜日)~令和8年3月1日(日曜日)「モノトーンとカラフル」
- この記事に関するお問い合わせ先
-
佐野市人間国宝田村耕一陶芸館
〒327-0022
栃木県佐野市高砂町2794-1 まちなか活性化ビル「佐野未来館」1階
電話番号:0283-22-0311 ファクス番号:0283-22-0311
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更新日:2025年03月21日