企画展
Exhibitions
開催中の企画展
田村耕一のデザイン展
会期
令和5年11月3日(金曜日)~令和6年2月25日(日曜日)
開館時間
午前9時~午後5時
入館料
無料
本展について
田村耕一のデザイン展
伝統を基盤に自らの創造による歩みを展開した田村のやきものは、力強いロクロ成形によるふくよかな器形に、自由にのびやかに様々な絵付けがほどこされている。陶板や皿や陶匣など平面に近いものの絵付けは、図案化する場合にも割かしスケッチに近い形でデザインされているが、立体的な器形にこそ田村の絵付けの真髄があり、ここが見せ場とばかりにその筆捌きには大きな喜びを感じる。枝を交わして咲く梅や風にそよぐ竹林など、そこに描かれる文様には自然そのものの生々しい息遣いが今も存在する。《銅彩柘榴文大壺》などに見られる文様の位置を意図的に定型からずらしたものは、田村らしい『心の遊び』の境地とも言える。それは写実そのものではなく、言ってみれば「写実」と「図案」、「具象」と「抽象」との中間にある田村独自の世界(象徴化)と言ったほうが正確かもしれない。
祖父が生前、「絵付けは欠点をカバーするための手段であって、会心のフォルムならばなくても良いと思う。ロクロの自然さが残る方が良い」と言っていた。そんな祖父の作品は、大きく二つに分けることもできる。一つは絵付けに数多く見られる「余白」の美しさを生かした作品群で、自然のごくささやかなもののモチーフを素朴に簡素に描きつつ、どこか都会的で洒落ている。そしてもう一つは相反してフォルム全体を埋めつくさんばかりの絵付けをともない、それは蔓を器面いっぱいに縦横に走らせた葡萄文や、花を枝いっぱいにつけて激しい気迫で群生する梅文からは、生き生きとした生命感を生み出している。このスタイルは晩年になってからの特徴であるが、それには元来の几帳面で心優しい人柄と同時に、新しい伝統を築き上げようとする意志が感じられる。本展では初期の力強いタッチの鉄絵から、辰砂・青磁などを掛け合わせ一層華やかさを纏った作品へと変化していくその過程を、日々の暮らしの中で常にそばに置いていた調度品と共に紹介します。
人間国宝田村耕一陶芸館運営委員 田村 田
メイン作品
せいじつばきもんひろくちつぼ
青磁椿文広口壺
これからの企画展
令和6年度の企画展
会期・内容
決まり次第、掲載いたします。
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佐野市人間国宝田村耕一陶芸館
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電話番号:0283-22-0311 ファクス番号:0283-22-0311
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更新日:2023年11月22日