田村耕一の鉄絵

更新日:2019年11月10日

The recognition of a living national treasure

 人間国宝は、重要無形文化財保持者として各個認定された人物を指す通称である。
日本の文化財保護法において、無形文化財とは、演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で
我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いものをいう(文化財保護法第2条第1項第2号)。
すなわち、無形文化財とは芸能、工芸技術等の無形の「わざ」そのものを指すが、その「わざ」はこれを高度に体得している
個人または団体が体現する。そして、日本国政府はこのような「わざ」のうち重要なものを重要無形文化財に指定するとともに、
その「わざ」を体現する個人または団体を保持者または保持団体に認定する(同法第71条第1項および第2項)。

 田村耕一は、昭和61年(1986年)重要無形文化財保持者(人間国宝)に鉄絵陶器で認定される。
栃木県では昭和30年(1955年)民芸陶器で認定された濱田庄司に次ぐ。

田村耕一の写真
田村耕一が陶芸をしている様子の写真

田村耕一の鉄絵

 鉄絵は酸化鉄によって文様が表現される陶芸技法であり、着色剤の鉄分の含有量・焼成時の焔(ほのお)の性質により、黒色、茶褐色、黄褐色等様々に発色し、変化に富む加飾技法である。
田村耕一は富本憲吉に師事して陶芸を学んだ。
 初期の頃は黒色と黄褐色の二種類の鉄釉を用い、蝋抜き(ろうぬき)や筒描き(つつがき)による草花文様の作品を発表して高い評価を得た。その後、刷毛目(はけめ)を施した上に勢いのある筆描きで鉄絵の文様を表し、銅彩を併用して色彩に変化を与え、さらに青磁釉を用いて重厚さを表現するなど鉄絵を基としながら数々の技法を加えて表現内容を豊かにし、高い芸術性を持つ陶芸を制作している。

(人間国宝への認定理由)

昭和53年制作の佐野市文化会館 陶壁「翔鶴」の写真

佐野市文化会館 陶壁 「翔鶴」 昭和53年制作

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