目的把握と指標の設定
これから、事務事業評価の「目的把握と指標の設定」「各評価の考え方」「評価結果の総括と今後の方向性」について説明します。
事務事業評価では、評価する事務事業が「何を対象として、何のために行われているのか」という事務事業の目的をまず明らかにして、その目的を達成するために事業を行い、「どの程度目的を達成できたのか」「目的を達成することで、佐野市のまちづくりにどう貢献しているのか」などを評価します。
下記リンクの「事務事業」の欄をご覧ください。
そのため、事務事業の目的を明らかにすることは、評価を行ううえで最も大切な作業であるといえます。
(1)目的の把握
事務事業の目的を明らかにするのが目的の把握で、「対象」「意図」「結果」の3つの観点で考えます。
対象
事務事業の働きかける対象は何かを考えます。対象は「人」だけではなく「自然」や「物」も対象となります。例えば、「人」を対象とした場合は、「全市民」や「小中学生」「65歳以上の高齢者」などになり、「自然」を対象とした場合は、「河川」や「森林」などになります。
意図
事務事業を行うこと(手段)により、対象をどういう状態にするのかを考えます。「意識啓発事業」を例にあげると、対象である「市民」を「意識啓発事業(講演会開催やパンフレット配布など)」を行うこと(手段)によって、「○○についての重要性を理解してもらう。」という状態にすることが意図になります。
結果
「対象」を「意図」する状態にしたうえで、さらに何に結びつけるのかを考えます。事務事業を行う目的は、最終的にはまちづくりの課題を解決するために策定した総合計画政策体系につながりますので、政策体系のどこに貢献しているのかを考えます。
企画当初は目的を明確にして行っていた事務事業も、相当期間経過すると、「誰のため」「何のため」という本来の目的が薄れて、単に事業を継続することが目的になりがちです。そのため、事務事業の目的をまず明確にして、評価を行うことが基本となります。
(2)指標の設定
事務事業の目的を把握したうえで、現状として事務事業がどういう状況にあるのかを具体的かつ客観的に把握するためには、その現状を数値化して誰が見ても明らかな状態にすることが大切です。この数値化する作業が指標の設定です。
指標は「対象」「意図」「結果」のそれぞれで設定します。「対象」の状態・大きさを表す指標は「対象指標」といいます。例えば、対象を「全市民」とすれば、対象指標は「人口」となり、「河川」「森林」を対象とすれば、対象指標は「河川本数」とか「森林面積」などになります。
次に「意図」の指標は「成果指標」、「結果」の指標は「上位成果指標」といいます。
ここで、「意図」の指標を「成果指標」とする理由は、事務事業を行うことによって対象を意図する状態にどれだけできたのかが「成果」であるため、「成果指標」といいます。この「成果指標」の現状を把握したうえで、目標値を設定し、毎年、その目標値に対してどれだけ達成できたのかを見て、事務事業の「成果」がどれだけ上がっているのかを判断し、次の評価につなげます。
この他、目的を達成するための手段(事務事業の進め方・やり方)の大きさを表す指標を「活動指標」といいます。
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更新日:2019年12月02日