広報さの令和7年1月号 新春対談
(さおり) 明けましておめでとうございます。書道家さおりです。本日はこのような機会をいただきありがとうございます。よろしくお願いします。
(市長) 明けましておめでとうございます。
ようこそお越しくださいました。よろしくお願いします。
早速ですが、さおりさんは、令和6年はどのような年でしたか?
(さおり) 令和6年は、インバウンドの皆さまに向けての活動の機会を最もいただいた年でした。海外のお客さまから作品のご依頼をいただき、佐野市の特産である「飛駒和紙」を使って作品を書かせていただいたところ、とても喜んでくださいました。サイズや風合い、その方の求めているイメージをお伝えして作っていただいた和紙は、海外では珍しいとのことで「僕のために作ってくれた1枚なんだね」と嬉しそうに話す笑顔が忘れられません。
海外の方が、私が佐野市出身ということを知って、足を運んでくださったこともありました。駅の後ろには城跡があって、佐野らーめんもおいしくて…と話されていたので、私の活動が佐野市の良さを知る人を増やすきっかけになったんだと、嬉しく思いました。
市長はこの1年、どのような年でしたか?
(市長) 振り返ってみると、実に慌ただしく過ごさせていただいた1年でした。さまざまな行事が活発に行われた年だったなと思います。
令和5年1月に「天明鋳物の地域団体商標」をいただき、産業として認められたことに続き、令和6年3月に「佐野の天明鋳物生産用具及び製品」が国重要有形民俗文化財に指定されました。これらのことを振り返ってみると、産業面・文化面の両方から、天明鋳物の千年の歴史に新たな幕開けができたと思っています。
(さおり) 天明鋳物が末永く継承されるよう、私も国内外に天明鋳物の魅力を発信していければと思います。
そんな輝かしい佐野市の未来に向けて、活躍できる人材を育てていきたいと考え、市内で書道教室を開いていますが、少子化の影響を受けているせいか、生徒さんを見つけることは容易ではありません。少子化は日本全体の問題ではありますが、人口を増やすための施策がありましたら伺いたく思います。
(市長) 少子化対策といっても単発で行うのではなくて、その年代に合わせた施策を組み立てていく必要があると思っています。まずは男女が出会うこと、結婚、妊娠、出産、子育てと、それぞれのライフステージに合わせて行政がどんなサービスを提供していくことができるかだと思っています。少子高齢化の中、人口減少は避けることはできません。
佐野市では、令和4年4月から第2子以降の保育料の無償化を行いましたが、令和6年10月から、県が第2子の保育料の半額を補助するようになったため、その分を副食費の無償化に充てました。
また、不妊・不育治療についても見直しを検討しています。
子どもを産み、育てるところまで、一連の流れを作っていければと思っています。
(さおり) 市長は文化活動についてどのようにお考えですか?
(市長) 文化には特にこだわりを持って取り組んでいます。展覧会などは、ご案内をいただくと、会場へ見に行きます。自分の考えと作者の考えがどこまで一致するかを考えるのが醍醐味です。
私の趣味はバックヤード巡りなのですが、バックヤードにはものすごいドラマがあるんですよね。学芸員の方や先生方は、表ではいろいろな話を組み立て、裏はきれいに整理整頓されている。文化に対する思いが見えてきます。表に現す文化ではなく、裏にある文化、それが面白いんです。きちんと整理をしてあることで次の世代につなげることができます。これらは歴史を紐解く一つのカギになると思っています。
(さおり) 市長には、いつも私の展示会に足を運んでいただいていますが、そのような背景があるということが分かり、嬉しく思います。
(市長) さおりさんの作品には、力強さの中に優しさがあり、力が湧いてくるように感じます。さおりさんの思う「書」のチカラとはどのようなものなのでしょうか。
(さおり) 私にとって「書」のチカラというのは、私を助けてくれる存在です。書道は、今では私に居心地の良さや、大切な方々との出会いを与えてくれています。
小さい頃から苦になることなく、飽きずに続けられたことが、書道でした。ただ没頭できることを続けていたところ、縁があり、書道家というお仕事と巡り合うことができました。私が書道家でなかったら、このように市長にお目にかかることもなかったと思います。私にとって「書」のチカラというのは、私を助けてくれる存在です。
(市長) さおりさんには展示会や、子どもたちに書道を教える教室をはじめ、インバウンドにおいても、さのまるをお誘いいただくなど佐野市をPRしていただきありがとうございます。佐野ふるさと特使であるさおりさんには、今後も佐野のPRを続けてほしいと思っています。これは職員がなかなかできない取り組みなので、さおりさんにはさまざまな文化活動の中で、たくさんの方と接点を作っていただいて、佐野市を知っていただき、また行ってみようという方々を増やしてもらえればと思います。
(さおり) ありがとうございます。お力になれるよう、引き続き発信をしていきたいと思います。
私は書道家を特に目指していたわけではなく、たくさんの方とのご縁に恵まれて今に至ります。昨今のように情報のあふれる中で、SNSを開けば人との比較ばかり…。学校で講演をする中で、そういったところで悩む若い世代の方々の声が聞こえてきます。
焦らなくてもいいんです。私のように苦でないことを続けることで、自分の好きなことを仕事にできた人が身近にいるということを知ってもらいたいです。皆さんの心の支えになりたい。「地道に好きなことを続けていくこと」これを胸に今年も精進していきたいと思います。
(市長) 一つの究めるものがあるということは素敵ですよね。それを通して自分がどのようにお手伝いができるかとか、自分がどういう表現ができるかとか、そこはやはり文化の強みだと思います。
さおりさんは書を通して市内外、国内外の文化的なつながりもできてきたとのことですが、まちづくりも、作り上げた結果、人と人とがどのように結びつくかというのは同じです。私は皆さんと一緒に政策を考え、組み立て、それをどうブラッシュアップして、理解をしてもらうかが重要だと考えます。
今年は巳年です。巳年というのは、努力や準備が実を結び始める時期と言われています。今年はできなかったこと、課題だったことの落とし込みをし、前に進めていければと思っています。
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更新日:2024年12月27日