「子守り」をオトモリといった

赤ちゃんや子どもをあやしたり、おぶったりして面倒をみることをオトモリといいます。この方言を昔は盛んに使っていましたが、最近は使用者がめっきり少なくなりました。かつて祖父母が面倒をみましたが、兄弟の多い家庭では、年上の者が面倒をみることもありました。昭和16年頃にはまだ幼い子どもを背負った年上の兄弟(生徒)が教室に現れ、同級生と一緒に机を並べて勉強する姿も見られました。

20年前頃から子どもの出生率が急速に減少しはじめ、15年前(1992年)にはこれまでなかった「少子化」という新しいことばが使われるようになりました。一方では核家族化がすすみ、オトモリの形態が昔とはすっかり様変わりしてしまいました。

オトモリのオトは、漢字の「弟」で兄弟の年下の者をいいます。モリは見守るの「守」ですから、年上の者が年下の者を面倒みること、これがオトモリの語源です。昔は子どもが多かったので、年上と年下の年齢には大きな隔たりがあり、20歳近くも離れている兄弟も少なくありませんでした。父母は野良仕事が忙しいため、年上の子は年下の子を面倒みることが当たり前だと思っていました。オトモリということばは社会的な背景をよく表しています。

(市民記者・森下 喜一)

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更新日:2023年09月21日