松かさの方言はその形からつくられた

松の木の枝についている丸い玉(果実)を、共通語で松かさ・松ぼっくりなどと呼んでいます。県内には、マツダンゴ・マツッコゴリ・マツッポグリ・マツボッコなどという方言があります。このような方言は佐野にもありますが、地域により人によって言い方がまちまちです。同じ地域内の人でも、ある人はマツボックリ、マツッポグリといい、ある人はマツダンゴなどと言っています。ところで、「松」という語の後には、ダンゴとかコゴリ(ボックリ)といった語がついていることに気づきます。これらの語はすべてある物の形から取った名前です。

ある地方では、その形がダンゴ(団子)のように見えたので、マツダンゴと名づけました。またある地方では、丸いかたまりのように見えたので、マツッコゴリと名づけました。

ところが、ある地方の人は、男の子の睾丸、俗にいう金玉を包んでいる袋(淫嚢)を連想し、マツフグリと名づけました。フグリとは、ふくらみあった垂れ下がっている丸いものをいいます。マツフグリがなまって、マツボックリとかマツッポグリというようになりました。これらの方言は、もと子どもたちが使っていました(児童語)が、のちには男女に関係なく、大人も使うようになりました。

(市民記者・森下 喜一)

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部広報ブランド推進課広報・地域連携係

〒327-8501
栃木県佐野市高砂町1
電話番号:0283-20-3037 ファクス番号:0283-21-5120
お問い合わせフォームはこちら

更新日:2023年09月21日