突然の出来事に動揺することをバッタクスルという
おおぜいの人が寄り集まっている席で、突然、「ひと言ご挨拶を…」などといわれると、一瞬その対応にうろたえることがあります。このように何をどのように話そうかと当惑することを、ドギマゴスルといいます。
「人前でしゃべったコター(ことは)ネーダンベー、だから、そンときはドギマゴシチャッて、何しゃべってんだかわんなかったよ」
ドギマゴスルは、共通語の「どぎまぎする」が変化したものです。
あわてて動き回っているものの、どうしていいか分からずおどおどすることを、トトロズクといいます。
「夕立が来そうだから、早く干し物をオッコメ(取り込め)っていったのに、何トトロズイてンだ。子供っチャー、シャーネーナー(しょうがないね)」
ぐずぐずしている動作をとろとろというが、これがもとになって生まれたのがトトロズクです。予期せぬ出来事にあったとき、あわてふためいて気が動転し、事がうまく進まないことを、バッタクスルといいます。
「あしたは家族で花見にイグ(行く)ベーってことンなって、楽しみにしてたんだけンど、あいにく雨ンナッチャッテ、バッタクシたよ。」
かつては佐野市全域がトトロズク、バッタクスルの使用地でした。その中で、特に旧安蘇郡(田沼・葛生)の明治・大正生まれの人たちは、昭和の中頃までこれらの方言を日常的に使っていました。今では死後同然となっています。
(市民記者 森下 喜一)
- この記事に関するお問い合わせ先
-
総合政策部広報ブランド推進課広報・地域連携係
〒327-8501
栃木県佐野市高砂町1
電話番号:0283-20-3037 ファクス番号:0283-21-5120
お問い合わせフォームはこちら
更新日:2019年12月02日