子どもたちの楽しい川遊びにズンブックグリがあった

川には流れの速いところがあれば、遅いところもあります。また、水深の深いところがあれば、浅いところもあります。特に深いところは、フカンボといったり、フカンドなどといいます。水の湧き出る深いところは、イズンボといって、フカンボ(ド)と区別しています。夏休みになると、子どもたちは「ミズアスビ(水浴)」といって、イズンボやフカンボ(ド)に行って泳いだり、もぐったりします。水中に全身を沈めることをズンブックグリといい、楽しい遊びのひとつでした。でも昭和二十五・六年頃を境にして、この方言はだんだん使われなくなってしまいました。

「フカンボにズンブックグリして、マーリ(周り)をじっと見てみな。ニガッパヤ(はやの一種)やヤモ(ヤマメ)の泳いでンのがヨークメールド(よ)」

ズンブックグリしたまま水中にどの程度いられるか、我慢くらべする遊びもありました。ズンブのもとの形はズブで、からだを水中に沈ませる、全身が水につかるという意味です。

ズンブックグリすると同じ意味の方言に、ツンモ(ム)グルがあります。
「あの子はフカンボにツンモグルや、川ン中を泳ぎマーッテンだってガネ」のように、ツンモ(ム)グルには強いひびきがあります。イズンボやフカンボで楽しんだ子どもたちの遊びは、もう見られなくなったし。遊びにまつわる方言も聞かれなくなってしまいました。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日