ブッタオス・ブッケスは「倒す」を強めるときにいう

立木や柱など立っているものを横にすることを、共通語で倒すまたはひっくり返すなどといいます。方言にも、いろいろな言い方がありますが、倒すを強めていうときには普通ブッケスといいます。これは「打ち返す」が変化したものです。「返す」は、向きや位置を反対にすることですが、それが変化して倒すという意味になりました。ブッケスは、大きな木を切り倒したり、大きな柱を押し倒したりするときにいいます。「ブッ(打)」には、荒々しい動作を表したり、強めたりするはたらきがあります。力を加えて倒す「ブッケス」に対して、自然に倒れることはブツケルといいます。

「家の裏の杉がデッカクナッチャッタンデ(大木になったので)、ブッケリヤシナ力ンベ力(倒れないだろうか)と心配で、ブッケスベ(倒そう)と思ったが、ナンセ(何しろ)フテンデ(太いので)ねえ」

人をなぐり倒すことを、強めていうときに共通語では「ぶったおす」といいます。方言では、大きな木や柱などを倒すようすを、荒々しく強くいうために、ブッタオスといいます。ブッタオスやブッケスのように荒々しさはないが、よく使われる方言にヒッケス・オッケスがあります。あまり大きくない木を切り倒したり押し倒したりするときに、これらの方言が使われます。

「あの木の太さだったら、だれだってヒッケセルダンベー(倒せるでしょう)。スイクチ(丸太の切り口の直径)だってなんぼもナカンべから」

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日