「恥ずかしい」を、方言ではナリガワリーという

やせ衰えた姿や無様なかっこうを、人に見られたり、話されたりすると、きまりが悪く穴があったら入りたい気持ちになることがあります。このような気持ちを表す共通語には、恥ずかしい、みっともないなどがあります。方言にも、多少意味のちがいはありますが、ナリガワリー・ヒトギキガワリー・ゲーブンガワリーなどがあります。

「髪の毛はぼさぼさ、しかも髭もじゃでさあ。そんなだらしネーかっこうでほっつき歩かれチャー、奥さんに、『ナリガワリーから、そとへは出ネでくれ』っていわれたって、シャーナカンベー(仕方がないでしょう)」

ナリガワリーは、恥ずかしいという意味ですが、「形が悪い」と書くように、本来、髪型や服装など身だしなみの悪いことをいいました。

身内のもめごとなどを、他人にいいふらすことは、聞いて感じのいいものではないし、恥ずかしいことです。この「恥ずかしい」に当てはまる方言に「ヒトギキガワリー」があります。これは「人聞きが悪い」ということ、つまり他人が聞いて感じがよくない、というのがもともとの意味でした。

「おれは運が悪かった、こんな破目になるはずじゃなかった、などと繰り返しヨメゴト(ぐち)いうのは、ちょっとヒトギキガワリーよ」

ヒトギキガワリーと意味的によく似た方言に、「ゲーブンガワリー」があります。「外聞が悪い」の変化形です。でも、今ではほとんど使われていません。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日