便所の名称として、チョジョバとかコエダメなどいろいろな方言が使われていた

昔から呼び名の多いものといえば、まず「便所」が挙げられます。今でも便所は(お)トイレといったり、お手洗いなどといいますが、年配者(女性)になると、御不浄などともいいます。

便所の近くには、昔から現在と同様に手洗所がありました。その手洗所を普通、手水場といいましたが、のちになると、この手水場が便所の意に変化してしまいました。「ちょうずば」が訛って、チョチョバ、チョジョバというようになりました。しかし、昭和20年頃になると、共通語の「ちょうずば」も、チョチョバやチョジョバもすっかり消えてしまいました。

昔、禅寺で僧堂の後ろに架け渡した洗面所を、後架といっていましたが、のちに便所をコーカというようになりました。明治の人たちは、「どこへ行ったんダンベと思ってたらコーカだッタンケー?」などといったものです。農家のほとんどの家が、屋内に便所がなく、夜中でも外便所を利用するという不便な生活をしていました。屋内にある便所をカミゴーカ(カミゴカ)とか、カミオーカ(カミオカ)などといっていました。一段上にある便所ということで、後架に「上」がつき、それが変化したものです。

便所は、糞をためておくところということから、クソダメといったり、あるいは深く穴を掘ってそこにためることから、クソツボとかコエダメなどともいいました。
(注意)コエは糞尿の意

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日