すももをバタンキューというのはなぜ?

同じ種類の果実とはいっても、色や形の違うものもあれば、大きさの違うものもあります。これらの色や様子にふさわしい方言もいろいろあります。栗の実には果肉がたっぷりあって、丸みを帯びているものもあれば、そうでないものもあります。また、皮ばかりで中身のないものもあります。中身のない皮は、杓子のような形をしているので、シャクシックリ(「しゃくしぐり」の変化形)といいます。栗の種類でもっとも大粒のものを、マグソグリ、またはマグソックリなどといいます。マグソは馬糞のことです。方言でいうマグソは、大きいだけで何のとりえもないもの、という意味です。鳶をマグソッタカというのも、腐った肉や動物の死体などを食べ、ほかには何のとりえもない鳥だと思われているからです。

樫・くぬぎ・なら・かしわなどの果実を総称して、普通どんぐりといいますが、方言ではジダンボ・ジダグリなどといいます。また、どんぐりの実は丸みを帯び、樫の実に似ていることから、カシッタマなどともいいます。

「山に近い農村に、熊やシカンボ(鹿)が出没するようになったンナ(のは)、雑木が少ネンデ(少ないので)、ジダンボなんかが食えネーからダンベー」

すももの方言バタンキューは、明治以来の古い方言ですが、最近その成り立ちが分からなくなってしまいました。すももの一種に「はたんきょう(巴旦杏)」があり、それが訛ってバタンキューになったというわけです。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日