方言なのか共通語なのかわからない“あさつて”の翌日は、シアサッテ?それともヤナサッテ?

生まれ育った土地に長年住んでいると、ことばによっては、方言なのか共通語なのか判別しにくいものがあります。故郷で通用すれば、どこでも通用するだろうという思い込みがあるからでしょう。

山芋・里芋・じゃがいも・さつまいもなどは、総称して共通語では「いも」といいます。しかし、方言でいうイモは限定的で里芋のみをいいます。これ以外の芋類を指して、イモということはありません。また、柱や塀などに寄りかかることをオッカカルとかヨッカカルといったり、紐、髪、紙、布など(比較的細く糸状のもの、薄くて平面的なもの)を、はさみで切ることをハギルといいます。最近はだいぶ少なくなりましたが、「来ない」ことを、キナイとかキネーなどといいます。どこへ行っても通じそうな方言ですね。

ところで、“あさって"の次の日は何というでしょうか。

かつて佐野では、“あさって"の次の日をヤナサッテ(「ヤノアサッテ」の変化語)といい、その次の日をシアサッテといっていました。この他に、シアサッテ→ヤナサッテという人もいました。

ところが、だんだん年月が経つにつれて、共通語といわれるシアサッテ→ヤナサッテという言い方が増えてきました。それは東京がもともとあさっての翌日をシアサッテといっていたので、その影響によるものです。最近「ヤナサッテ→シアサッテ」という言い方は、だんだん衰える傾向にあります。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日