背が高くて太いいたどりを、ンマスッカンボといった

いたどりは、5月から夏にかけて、野原や道端など日当りのよいところに生えます。茎は細長い棒のようにひょろひょろと伸びます。あまり目立たないが、白っぽくて小さな花を咲かせます。若い茎はすっぱいが、子どものころはこのすっぱい味に興味があってよくかじったり、すすったりしたものです。このいたどりを見ると、地域の人たちは老いも若きもスッカンボといっていました。いたどりという人は、ひとりもいませんでした。

“酢"のような味を、共通語で“すい"とか“すっぱい"といいます。東北地方では、この酢の味をスッカイとかスカイといいます。県内にもそのようにいうところが数地点ありますが、東北方言の影響なのか、昔から栃木方言として使っていたものなのかよくわかっていません。

ところで、棒のように長く伸びた茎はスッカイので、最初はスッカイボー、それが訛ってスッカンボ(ー)となりました。

「スッカンボの新芽の皮をむき取ると、シント(茎)がヤッケー(やわらかい)から、そこンとこをかじってみな。スッペーから」

いたどりにも2種類あって、1メートル程度も成長するものがあります。これをンマスッカンボといいます。それに比べてその半分程度しか伸びず、茎の細いものをスッカンボといって区別しています。

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更新日:2019年12月02日