母子草は草餅にいれる雑草だった

昔、蛙の薬草として知られるおおばこ(車前草)やせき止めの薬としたははこぐさ(母子草)には、どんな方言があるでしょうか。道端などに群がって生えている雑草におおばこがあります。おおばこの葉っぱは卵のような形をして、茎には白い小さな花を咲かせます。方言では、これをオンバコ・ゲールッパ・ケーロッパなどといいます。おおばこには薬効(やっこう)があって、死んで間もない蛙をこの葉で包んだところ、その蛙が息を吹き返したという伝説があります。このことからおおばこは、「蛙の葉」といわれるようになり、それが訛って、ゲールッパとかケーロッパとなりました。

春の七草(せり・なずな・はこベ・すずな…など)の一種に“ごぎょう"があります。ごぎょうは別名“ははこぐさ"ともいいます。昔は薬草ということもあって、七草がゆにして食べました。母子草は春から夏にかけて、田畑や道端などにたくさん生えています。小さくて黄色い花を咲かせます。かつて母子草の若い茎や葉は草餅にして食べました。葉っぱには白い毛(綿毛)があり、それが乳児の舌に似ていることから、母子草という名がついたといわれています。母子草を、方言でネバリモチといいます。これを切ると、切り口から白いねばねばした液が出てくるからです。草餅の「草」といえば、普通よもぎをいいますが、このよもぎが草餅に使われる以前は、母子草が用いられたといわれています。

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更新日:2019年12月02日