水の神様はカピタリモチが大好きだった

毎日の生活にどうしても欠かせないものといえば水と食べ物です。特に水は動植物体の約80%を占めているといわれています。水は生命の源です。

ところが、この水がその量を増すと、人も動物も思いもかけないような災難に襲われることがあります。河川が整備されていなかった昔は、川の濁流に呑み込まれて水死する者、怪我をする者が後を絶ちませんでした。

昔の人たちは、水難事故が起こるのは、水の神によるしわざだと考えました。新年を迎えるに当たって、幸せな年であるようにと願う気持ちは、神に祈る以外に方法はありませんでした。水難事故が起こらないように、、水の神に餅を供えました。この餅を佐野ではカピタリモチといい、この餅を食べると、水泳ぎに行ってもおぼれたり、河童(架空の動物)にさらわれることがないと信じられていました。

カピタリモチは、旧暦の12月1日に搗く餅のことで、かわびたりもち(川浸り餅)がなまったものです。県内にはカピタレとか、カピタレモチというところもあります。カピタリモチを搗いた家は、12月末に餅つきをすることはかたく戒められました。そのために1日に搗いた餅を知人宅に配り、その見返りの餅は、年末になって知人宅から届けられました。

(市民記者・森下 喜一)

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更新日:2023年09月21日