ぶち壊すの方言「ボッコス」はいろいろな意味を持つ

   古くなって物が使われなくなると、その物の名は消えてしまいます。かつて農家には、畑にあるかたい土のかたまりを”壊す”仕事がありました。この仕事および土のかたまりを壊す農具を”ツブテッコシ”といいました。今ではその名を知る人はいないほどに古い方言となってしまいました。石のようにかたい土くれをツブテといい、こわし(壊)の変化形(略語)をコシといいます。ところで、”壊す”にブッやボッがついた方言はいろいろありますが、それにはどんなものがあるでしょうか。それらの方言の意味や語形について述べてみましょう。

   「壊す」の意味を強めるために、接頭語をつけて、”ぶち壊す”といいます。方言も意味を強めるために接頭語をつけてブッコワスといいますが、語形にはいろいろあってボッコワス以外にも、ボッコス・ボッカスなどもあります。

   「スピードの出しすぎで、ジデンシャ(自転車)を石垣にぶっつけて、ボッコシチャッタ」

   明治生まれの女性は、着物を解いて洗い張りをしました。そのときの”解く”を、方言ではボッコス(壊す)といいました。というのは、洗濯をする前に縫った着物を解きほぐしますが、その仕事は着物をばらばらにすることであり、”壊す”行為に似ているからです。

   高額な貨幣を小額の貨幣にかえることを”両替する”、”くずす”などといいます。方言ではボッコワス、ボッコス、ボッカスといいます。いずれも元は物をくだいて小さくする意です。

   「この一万円を千円札にボッコシてっから、缶ジュースや缶コーヒーなどを買って来っから」

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更新日:2022年03月31日