葬式にお坊さんのたたいた饒(にょう)と鈸(ばち)の音がジャンボンと聞こえた

死者をほうむる儀式を葬式といいます。方言では葬式を'ジャンボン'といい、これ以外にジャンボ・ジャーボ・ジャボなどともいいました。昭和の中頃までは土葬も多く、葬式はジャンボンというのが普通でした。では、ジャンボンにまつわる方言などを挙げてみましょう。

近所に死人が出ると、組合内の人は死人の親戚の家を訪ね、そのいきさつを報告します。報告する人を'悲悼(ひとう)'といいますが、方言では'ジャボビト'といいます。また、ジャンボンに結びつくことば(複数語)にアナマワリがあります。これは親戚一同が庭で輪をつくり、中央に安置した棺の周りを三周半左に回ります。これを別名'ジャンボンメグリ'といいます。

葬式の引き物には、大きな饅頭を添えて振る舞うのが慣例となっています。この饅頭を'ジャンボンマンジュー'といい、子どもたちには特に人気がありました。昭和20年代は食糧難だったので、ジャンボンマンジューは貴重な食べ物でした。ジャンボンには、シレーマンマ(米のご飯)が食べられるという楽しみもありました。

ところで、葬式をなぜジャンボンとかジャーボなどというのでしょうか。

銅製で皿型をした打楽器の真ん中にひもをつけ、お坊さんがこれを両手に一つずつ持って合わせて打ち鳴らします。その音がジャンボンと聞こえたので、葬式をジャンボンというようになりました。高い音のする饒(にょう)と鈸(ばち)を葬式の打楽器として用いました。

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更新日:2022年05月31日