農家の人たちは労力の助け合いをテマッカリといった

   田植えや稲刈りなど農作業でもっとも忙しい時期を農繁期といいます。この時期は猫の手も借りたいほど忙しく、その忙しさを少しでも和らげようと、組合内の農家は互いに労力を交換し合いました。組合内に農家が5軒あれば、雇ったり雇われたりして協力し合います。

   組合内の農家で労力を交換して行う作業は、皆が一緒になってするので、普通'共同作業'といいますが、方言ではこれをテマッカリといいます。ほかにテマッカイ(エ)、テマカイ(エ)、テマッケなどともいいます。テマッカリは、イーシゴト・イーッコ・イ(エ)シゴトなどともいいます。言い方は地域や年齢によってまちまちです。(イシゴトについては、2007年5月1日「広報さの」に掲載したので説明を省きます)

   テマッカリは一般に田植えや刈り取りなど農作業に関することばのように思われますが、それ以外にも、テマッカリに関する仕事はいくつもあります。'屋根葺き'と'木の葉さらい'の例を挙げてみましょう。

   おがら葺き屋根の葺き替えもテマッカリです。佐野は昔から麻の名産地で、麻の茎を'おがら'といいました。昭和30年頃まではおがらで葺いた屋根がほとんどで、瓦屋根はあまり見当たりませんでした。おがら屋根は方言でクズヤネといい、その家をクズヤといいました。また、毎年堆肥になる落ち葉をかき集める'木の葉さらい'がありましたが、これもテマッカリでした。


 

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更新日:2022年06月30日