シテンゴテンとは優劣のないこと
人や物の重さや速さなどを比較して、優劣がないときに、共通語では「五分五分だ」とか、「おっつかっつだ」などといいます。佐野方言では、これをズッペゴッペ(ズッペガッペ)とか、シテンゴテンなどといいます。
「AヤンとBヤンの腕力は、まあズッペゴッペダンベー(AさんとBさんの腕力は、まあ五分五分でしょう」
昔は共通語で、よくしゃべることを「つべ」といい、ああ言えばこう言うということを「つべこべ」といいました。今日でも「つべこべ言うんじゃネー」などといいます。この「つべこべ」が変化してズッペゴッペとなりました。
ああ言えばこう言い、こう言えばああ言うという、そのいずれの回数も内容も優劣つけがたいというのがもとの意味です。同じく甲乙つけがたいときにいうのがシテンゴテンです。
「A君もB君も頭のよさといったら、シテンゴテンダンベー」
昔、四天の舞と二天の舞という舞があって、この二つの舞は非常によく似ているために、見分けることができなかったといいます。このことから東北地方(仙台・平泉・米沢)では、優劣つけがたいことを、シテンニテン(四天二天)といっています。佐野では、五分五分の「五」の数字に合わせて、シテンゴテン(四天五天)といい、明治・大正生まれの人たちは、この方言をよく使っていました。
(市民記者 森下 喜一)
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更新日:2023年09月21日