チョーガン(ニ)は、もと長続きの意だった
ある動作やそのようすを、よりはっきりさせるために、佐野のほとんどの地域で、チョーガニとかチョーガンニという方言を使っています。
「あの男はヨトサレだから、チョーガニ仕事もしネンだよ(あの男はろくでなしだから、ろくに仕事もしないんだよ)」
「年取ったらサー、ヒザッカブがワリーモンだから、チョーガンニ歩けなくッテヤンナッチャー(年を取ったらね、膝(ひざ)がわるいので、よく歩けなくていやになっちゃうよ)」
「遊んでベーいるから、チョーガンナ人間にはなれなカンベー(遊んでばかりいるから、まともな人間にはなれないでしょう)」
チョーガニやチョーガンニは、十分に、ろくに、よくという意味、チョーガナ・チョーガンナは、まともな、まじめなという意味です。これらの語を用いた文のあとには、多く否定の「ない(ネー)」という語がきます。チョーガ・チョーガンは、長続き・持続の意の「ちょうきゅう(長久)」が訛(なま)ったものです。チョーガ(ニ)とかチョーガン(ニ)に変化すると、上記のように、意味や用法も変わってしまいます。「チョーガンニ仕事もできない人だ」という場合には、仕事に飽(あ)きて長続きしない人という意が含まれています。中年以下の人はほとんど使わなくなってしまいましたが、高齢者の多くは現在でも使っています。
(市民記者・森下 喜一)
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更新日:2019年12月02日