ジグルーは、激痛と無関係だった

頭がちょっと痛いときには、「ズキズキする」ともいい、もっと痛くなると、「ズッキンズッキンする」といいます。さらに痛くなると、「ガンガンする」などと言い方が変ります。歯も同様に、わずかな傷みには「シクシク」といい、傷みがはげしくなるにつれ、「ズキズキ」「ズッキンズッキン」などといいます。痛さの程度に合わせて言葉も変化し、それによって痛さを使い分けています。ところが、我慢(がまん)ができないほどの激痛が走ると、その傷みに耐えかねて転げ回ることがあります。この状態をジグルーといいます。佐野市を中心とする周辺の地域でもジグルーというところがあります。

「あの人はサー、昨日木から落ちて足に大けがしたんだって、夜になって痛みが増しジグルってたんだってさー」「胃が、ジグルーほど痛かった」

ほしい物が手に入らないと、怒(いか)りもがいてはげしく地面を踏みながら泣きわめく子ども、地面に寝転んで手足をばたばたさせながら、はげしく抵抗する子どもがいます。そのようにはげしく暴(あば)れ回る行動が、「地狂う」という言葉を生み出しました。ジグルーはもともと痛さを表す言葉ではありませんでした。群馬県をはじめ近県では、子どもがじたんだ踏んでるようすを見て、「泣きわめきながらジグルッテル」というところがあります。物をほしがってわめく「ジグルー」が、激痛に苦しんで転げ回っている病人にも使われるようになりました。

(市民記者・森下 喜一)

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更新日:2023年09月21日