悪臭を放つ虫をヘップリムシという
晩秋の頃になると、朝晩が冷え込み肌寒さを感じるようになります。昆虫も寒さに備えて、冬支度の準備に取りかかります。
この頃、暖かさを求めて家の窓などに寄り集まる虫に亀虫がいます。体調は1.5センチメートルくらい、色は茶褐色、体型は亀の甲に似ています。別名「臭亀」ともいいます。触ったり踏みつけたりすると、強烈な悪臭を放つからです。方言ではヒラッカまたはヘップリムシなどといっています。
「冬に近づいて寒くなってきたらさぁ、家ン中にヒラッカが入ってきてさぁ。コナイダ(この間)うっかりしてフンジャブシチャッテ(踏みつぶしてしまって)…。いや、クセーノクサクネーノッタラアリャーシネー(耐えられるような並々の臭さではない)」
亀虫は、平たくて小さな亀の甲のような形をしているのでヒラカメ(平亀)、これがさらに変化してヒラッカといわれるようになりました。
悪臭を放つ虫を一般に「ヘッピ(プ)リムシ」または「ヘコキムシ」というので、亀虫にはもう一つのペッピ(プ)リムシという方言があります。屁を放る虫という意味です。
湿った石の下とか草むらに、「ごみむし(芥虫)」といって、黒っぽい色をした昆虫が住んでいます。体型はヒラッカと違って長楕円形、触ったりすると肛門から悪臭を放つので、この虫もヘップリムシといいます。
(市民記者 森下 喜一)
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更新日:2019年12月02日