「怒る」の内容によって変わる方言

怒りの気持ちを表すことばは、一般に「腹を立てる」「怒る」といいますが、その気持ちを感情的に強く表すことばには、「目くじらを立てる」「向っ腹を立てる」などがあります。このように気分や感情によって言い方が異なります。

方言も同様です。人の話を聞いて、これといった理由もなく腹を立てることをモッコバラタテルといいます。

「あの人と世間話をしていたら、何が何だかわかンネケンド(知らないけれど)、急にモッコバラタテて顔色がかわってきたんだってさ」

モッコバラタテルは「むかっ腹を立てる」が変化したものです。くだらないことに腹を立てることをツン(チン)バラタテルといいます。ツン(チン)は、語の前について「腹を立てる」の意を強める働きをします。

「ヘーシッタコト(つまらないこと)にツンバラタテルなんて大人げネー」

イシガヤケルは「意地が焼ける」を語源とし、思うようにならず怒りを覚えるという意味です。

「思うようになンネ(ならない)と、イジガヤケてねえ」

気がいらいらして腹が立つことをゴセヤケル(ゴセッパラヤケル)といいます。 ゴセは「後世」で死後の世界、ヤケルは「焼ける」で、あれこれと世話がかかるという意。この方言には、今後どうなるかを案じ、いらだつ気持ちがよく表れています。ゴセヤケルは、明治・大正頃に使われた古い方言です。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日