泥土などにのめり込むことをネコマルという
くぼんだ場所に落ち込むの意に「はまる」という共通語があります。人や物が堀や溝や川(池)の深みなどに突然落ち込んだようなとき、「車が溝にはまった」「川の深みにはまっておぼれた」などといいます。
「はまる」は方言のネコマルと意味的によく似ています。でも溝や堀などに落ち込むことは「はまる」といい、泥土などにのめり込むことは「ネコマル」といって区別しています。
湿田や泥土に足を踏み入れると、ぬかるみにのめり込んでしまうことがあります。もがけばもがくほど深く入り込んでしまい、容易に抜け出すことができなくなります。このように泥土などにのめり込むことをネコマルといいます。
「田螺を捕ンベとモッテ(思って)、ドンベッタ(一年中水湿が多く泥深い田など)にヘーッ(入って)て歩いていたら、だんだん深くネコマッて出られなくナッチャッて、ヒデーめにあったよ」
車が泥道や砂地でスリップし、タイヤがめり込んで抜け出せないことがあります。そんなとき、無理にアクセルを踏み込むとますますタイヤがめり込んでしまいます。このような状態になることもネコマルといいます。
「バックしたら後輪が泥ン中にネコマッチャッてさぁ、シャーネ(どうしようもない)から、友だちの車で引っ張ってもらったンさ」
ネコマルは「練り込まる」が変化した語といわれ、泥を練るようにして深みに入り込むという意味です。
(市民記者 森下 喜一)
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更新日:2019年12月02日