投函することをボッコムという

掛けやで杙などを打って、地面に入れたり、かなづちで釘を打ち入れたりすることを共通語では「打ち込む」(「うちこむ」とも)といいます。これが変化して、方言ではボッコム・ブッコムといいます。

「土地の境目にはちゃんと杙をボッコンでおかネと、オッツケ(将来)エレーコトン(たいへんなことに)なるかンね」

手紙やはがきをポストに投函することも、ボッコムといいます。これも「打ち込む」が変化したもので、「入れる」のぞんざいな表現です。

「ちっと待っててクンネケー(ください)。手紙を郵便ポストにボッコンで(投函して)クッカン(来るから)ね」

池や川に石や物などを投げ込むこともボッコムといいます。

「川の流れにあんなに石ッコをボッコンで何するンダンベ?流れを変えて魚でも捕るンダンベか」

昭和の初め頃までは、地下深く掘って出る井戸水を飲み水としました。井戸を掘ること(または人)を「井戸掘り」といいます。その頃、地下深く鉄管を打ち込み、押上ポンプで水を吸いあげる方法も行われていました。

地中を掘ることや、鉄管を打ち込む(ボッコム)ことを、一般に「井戸(を)ボッコム」ともいっていました。昭和半ば頃から、水道水が使われるようになると井戸掘りがなくなり、「ボッコム」は死語となってしまいました

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日