あれやこれや食べて、最後に食べるものをクチッパライという

近所の人たちと田植えする協同作業は、昭和の中頃まで行われていました。田植えが終わると、協力し合った近所の人たちやその家族が、事前に決められている家におおぜい寄り集まって、飲食しながら田植えの終了を祝いました。

その時の食事は、ご飯や麺類以外に、芋類・豆類の煮つけや野菜などが主でした。そばやうどんばかり食べて、満腹感を味わう人がほとんどでした。主婦たちは、力の源であるご飯を食べるよう男たちにすすめました。このように終わりにする食べ物をクチッパライといいます。

「そばなんかいっくら食ったって、すぐに腹が減っチャって、力が出ナカンベサー。ンだからクチッパライに、ご飯でも食わッセ(~てください)な」

家庭では、毎日ご飯を食べるのが普通ですが、来客のある祝日や休日には、まず、そばやうどんを打ってもてなすのが半ば慣例となっていました。クチッパライは「口払い」で、口にあるものをきれいに取り除き、あらためて最後に食べる食べ物のこと、これが本来の意味です。

共通語の「口直し」も、食事が終わってから別のものを食べるという点では、クチッパライと似ています。でも、「口直しにアイスクリームを食べた」のように、口直しは、まずいものや苦いものを口にした後で、その嫌な味を消すために、別のものを食べたり飲んだりすることをいいます。したがって、内容的にクチッパライとは異なります。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日