予想外に長持ちすることをムソイという
物が減ったり、火が消えたり、固形物が溶けたりするまでの時間が、思っていたよりも長くなることがあります。このように時間が長びくことをムソイといい、訛ってムセーともいいます。
「シロケシ(上質の堅炭)は、火力もあるしムセーし、ケム(煙)も出ネーからマッサカ(とっても)エーよ」
飴玉によっては、溶けるのに時間がかかるものがあります。
「ナゲーこと舐めてンだけど、このアメッタマ(飴玉)はムソクってねぇ。舐め終わるまでニャー、時間がエラク(ずいぶん)かかるよ」
物価が安くなると、余分なものを買わない限り、支出が少なくカネが長持ちします。このような状態になることをムソイ(ムセー)といいます。
「物価が安いときは、カネの出がムソかったけど、今ジャー、だいぶ値上がりして、トッタカミタカ(手に入れるとすぐに出ていくこと)って感じだね」
木炭の火やローソクの火や履き物(草履や靴)などが予想以上に持続するようなときにも、ムソイ(ムセー)といいます。
ムソイ(ムセー)は、思い通りにならない、めんどうだという意の古いことば「むさい」が意味変化したものです。ムソイ(ムセー)は高齢者に限らず、中年者でも使っていますが、年齢が若くなるにつれて、使用率がだんだん少なくなっていく傾向にあります。
(市民記者 森下 喜一)
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更新日:2019年12月02日