たきぎはモシキといい、それをひろい集めることをモシッコリという

かつて灯油などを仕入れることができなかったころは、風呂を沸かしたり、かまどで食物を煮炊きするのに、たきぎ(別名まき)を使いました。たきぎとなるものは、杉・桧など小割にした割木(わりき)や雑木などでした。これらの割木や雑木を、方言では普通モシキといいます。山間(やまあい)の地に住む人たちは、山に入って落ちた枝をひろい集め、これを束ね、持ち運べるようにします。このような作業をモシキコリ、略してモシッコリといいます。モシキは”燃やす木”のこと、コリは小枝などをなわで束ねることをいいます。

「セフロ(風呂)をタテル(沸かす)にしても、飯をニル(炊く)にしても、モシキはナクッチャーナンネーモンダカン(無くてはならないものだから)ねえ」

最近は、屋内でも屋外でもモシキを燃やして暖を取ったり、煮物をしたりする光景が見られなくなりました。このように環境の変化によって、モシキということばが聞かれなくなったために、モシキを知らない若者が増えてきたといわれています。手ごろな大きさのまきを、マキダッポー(マキダッボ)ということがあります。マキダッポーは、棒やくいを打ち込む道具代わりにしたり、子どもを叱りつけるときに、「マキダッポーでブックラスドー(たたくぞ)」などと父親が大声を張り上げ、”おどしことば”として使うことがありました。

 

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月27日