ツ(語尾)は丸く変形したものの名前に付けたものか ‐カブツ・タンコブツなど‐

樹木や竹を切り倒したあとには、根っこが残ります。その根っこは株ともいいます。
この株に”ツ”という語尾が付いて、カブツといいます。その外に株は切り株ともいい、同様に”ツ”が付いてキッカブツといいます。このように語尾”ツ”の付く方言は古くからありましたが、その語数はきわめて少ないため、”ツ”はどういう語に付いて、どういうはたらきをするのかについてはよくわかっていません。

切り株と同じ意味をもつ語に、根株(ねかぶ)があります。これもネッカブツといいますが、切株や根株に”ツ”を付けて、キッカブツとかネッカブツなどということは、めったに聞くことがないため、死語に近い語といってもいいでしょう。

「あの小高い山の麓(ふもと)には、キッカブツがあっちこっちにあるから、けつまづいたりオッコロガッタリシネー(転んだりしない)ように、キー(気を)つけなよ」

「目の上のたんこぶ」ということわざがあります。たんこぶとは、目の上の筋肉がもり上がったもので、目ざわりでじゃまなもののたとえです。このたんこぶには”ツ”が付きます。

「会社の宴会で同僚と楽しく飲んでいることろへ、いつもの不愛想な部長がやって来たンで、部下たちはふさぎ込ンジャッてさあ。部長は目の上のタンコブツなんだよ」

紐を小間結びにすると、結び目が丸くなり、たんこぶのようになります。それを見て、「紐をタンコブツに結んだンだから解(ほど)けネーよ」などといいます。

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2020年01月31日