けものが立ち止まり、後ろを振り返って見るけもの道をタツミという
山の中腹には、いのししや鹿などが通る道があります。けもの道といわれていますが、山間地に住む人や猟師たちは、この道をタツミとかタツメなどといいました。タツミとは、けものがちょっと立ち止まって、警戒しながら後ろを振り返って見る道という意味です。けもの道は、ヨコツとかトーリッパともいいます。ヨコツは横の道という意味です。
しかやいのししは繁殖率が高く、その数が減る気配はありません。けものによる被害は大きいといわれていますが、その被害はどのようなものなのか農民に聞いてみました。
しかやいのししは、ヨコツからはずれて人里に下りてきます。夜行性なので夜でも昼間のようによく見えます。夜も昼も田畑にヘーッテ(入って)農作物を食い散らします。
ある農家の人は、「さく(畝(うね)とも)を作って麦の種をまいたら、そのさくを跨(また)いで新芽をカタッパジ(片っ端)から食われチャッタ」と話していました。
いのししも夜行性ですから、夜に限らず人里に下りてきて、メメズや蛙やへびなどをツカメテ(捕まえて)食います。農作物も食い荒らしたりします。特に八頭(やつがしら)という芋は大好きです。ある農家の人は、「朝、八頭がカタッパジからホッポジクッテ(掘って)あったンで、八頭をだれが盗んだンダンベ?」と不思議に思っていたら、いのししのしわざだったんだってさ。
(市民記者 森下 喜一)
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更新日:2020年02月28日