川魚の方言「ババスッコ」は、姿も名前も消えてしまった?

山あいから流れ出る秋山川、彦間川、野上川、仙波川などには、いたるところにフカンボ(水の深いところ)があり、そこには「はや」が泳いでいます。腹部が銀色をしたはやと、暗色をしたはやの二種類がいます。銀色をしたはやをホンバヤ、暗色をしたはやをニガッパヤといいます。野上地方ではニガンバヤといっています。
 

ニガッパヤとニガンバヤというようになったのは、腹部に苦味(にがみ)があるからだといわれています。浅瀬で群れをなして泳いでいるはやの幼魚を一般にザッコといいますが、メダッカ・ハヤメンゴなどともいいます。
 

「釣れた魚はみんなニガッパヤベー(ばっかり)で、ホンバヤなんか1匹も釣れなかったよ。ガマ(魚の隠れ場)には、ホンバヤがすいすい泳いでるのがメール(見える)ンだけどねえ」
 

水のよどんだ場所には、暗褐色で頭でっかちのカジッカという魚がいます。浅瀬でほとんど動くことなくじっとしています。
 

水のすんだ川で砂のあるところや池などには、どじょうの一種である「しまどじょう」という魚がいます。からだの長さは8センチメートル程度で茶色っぽく、横一列に黒っぽい斑点がいくつもあり、いつもからだを伸ばしてじっとしています。この魚を方言で普通ババスッコあるいはババスコといいますが、スナムグリ・スナモグリともいいます。
 

渓流(けいりゅう)には、からだの側面に黒っぽいまだら模様のある「山女魚(やまめ)」がいます。この山女魚を方言でヤモーといいます。ヤモーは山魚(やまうお)が訛ったものといわれています。

 

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2020年03月31日