養分のない痩せた土をノッポという

野原でも山でも、地味の豊かな土地とそうではない土地があります。落ち葉の多いところでは葉が枯れて、腐葉土(ふようど)となります。

腐葉土ではない土は、養分になるものがないために痩せています。その痩せ土を、方言でノッポまたはノッポツチといいます。訛(なま)ってノッポチチなどともいいます。ノッポツチには、植物を育てる養分が少ないために、茎や葉はよわよわしく力づよさがありません。

粘土質(ねんどしつ)で痩せているノッポツチは、水を含むとねばねばするので、ネバまたはネバチチなどといいます。土の色が赤みを帯びていれば、アカノッポあるいはアカチチなどといいます。ノッポツチの畑をノッポバタケといいます。
 
「ここの土地はアカノッポでさあ。地質がわるく痩せてるダンベー。だから、野菜にこやしをしこたまやっても、思い通りにはイガネンだよね」
 
地味の痩せている赤土とは対照的なものに黒土があります。黒土は一般に肥沃(ひよく)ですが、肥沃ではない黒土もあります。黒みのある土をクロノッポといいます。クロノッポの表面上の特徴は、軽くてふわふわしていることです。

ところで、山に植え付けた杉・桧など苗木の成長のよしあしは、地味と山の傾斜・向きなどに左右されます。日当たりのわるい北向きの山を、方言でオロ・オロッポー・オロヤマまたはヒミズなどといいます。オロヤマは、樹木の成長には適していない山といわれています。オロヤマの「オロ」はうつろの意。転じて、中身がなく何の役にも立たないこと、という意味です。
(市民記者 森下喜一)
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更新日:2020年07月31日