目籠(めかご)をかぶるとメケゴができる

顔や頬などに、しみや吹き出物ができたというだけで、年齢のせいだからとか、肌の手入れがどうだからと話は結構長引きます。ところが、顔の一部に腫(は)れ物などができると、話題はさらに膨(ふく)らみ、それに適当な語(方言)をつくっていうことさえあります。まつ毛の根もとにばい菌が入って炎症を起こす病気を麦粒腫(ばくりゅうしゅ)、俗に”ものもらい”ともいいます。まぶたの縁が赤くはれて、痛みやかゆみをともないます。この病気にメカイゴという方言がつけられ、それが後にメケゴに変わりました。

畑や庭の雑草や野菜などを取り入れる竹製の籠「めかご」を、メケゴ(ものもらいもメケゴという)といいます。別名メケ・メーケともいいます。メーケは目が粗(あら)く編んであり、手頃な大きさで使いやすく、農家の人にとって便利なものといわれています。

子どものころ、友だちと頭にメーケをかぶって上機嫌に遊び回っていたら、父に見つかり、そんなことをしたら罰(ばち)があたるからやめろ、と怒られました。

「メーケをかぶるとなあ、メケゴができるンだぞ。まぶたの縁が赤くはれて痛くなり、カエク(かゆく)なるかンな。これからメーケはぜったいにかぶンなよ」

ものもらい(麦粒腫)が、メカイゴ(メケゴ)といわれるようになったのは、目籠をかぶると、目の縁が痒(かゆ)く引っ掻(か)くようになるから、というお年寄りの話。つまり、メカイゴの成り立ちは、”目”が”掻イ”くなる”籠”という語の組み合わせだということです。
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更新日:2020年11月30日