劇症型溶血性レンサ球菌感染症に関する基本的な情報
劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、レンサ球菌による感染症です。レンサ球菌は感染しても無症状なことも多く、症状が出てもほとんどは咽頭炎(のどの炎症)や皮膚の感染症にとどまります。しかし、まれに通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な疾患となることがあり、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれています。
小児が多く感染するA群溶血性レンサ球菌(A群溶連菌)感染症とは区別されています。
原因と感染経路
実際の感染経路は明らかになっていない部分が多いですが、傷口や粘膜から、通常は菌の存在しない筋肉、脂肪組織や血液にレンサ球菌が侵入することによって病気を起こすと言われています。
症状
最初に手足の強い痛みがみられることが多く、続いて発熱や悪寒、筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が現れます。また、めまいや錯乱状態を伴うことがあります。症状が進行すると、筋肉や脂肪における炎症、呼吸障害や意識障害が進行して死に至る場合もあります。
疑わしい症状が現れた場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。
予防のポイント
感染経路は明らかになっていない部分が多いですが、うがいや手洗い等の一般的な感染症予防に努めるとともに、ケガをした際の傷口はよく洗い、消毒などを実施することで清潔に保ちましょう。
感染症法との関連
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は感染症法において、5類感染症に定められており、診断した医師は7日以内に最寄の保健所に届け出ることが義務付けられています。
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更新日:2024年05月17日