正雲寺城跡豊代城跡、佐野源左衛門常世館(さのげんざえもんつねよやかた)跡)、阿土山(あどやま)城跡

正雲寺城跡は、別名豊代城跡、佐野源左衛門常世館跡と呼ばれ、東西約110メートル、南北約150メートルに亘って、高さ1.5~2メートルの土塁が今も残ります。こうした城館跡は一辺50~100メートルの規模が一般的ですから、規模の大きな城館だったと考えられます。現在、城趾内にある正雲寺公民館には常世とその母の位牌及び、薬師如来と地蔵尊が安置されています。また、北西には常世の守り神といわれる矢越神社がまつられています。

阿土山城跡は、正雲寺城跡の北方に位置し、山頂に続く尾根等に複数の大きな堀切や、石積みが残される堅固な山城です。標高371メートルの山頂からは、仙波や会沢、葛生方面ばかりでなく、唐沢山も望めます。
築城は、建永元年(1206)安戸氏によるとされ、永禄2年(1559)以後佐野氏が使用し、慶長3年(1598)には天徳寺宝衍(ほうえん)が阿土山に居住したとも伝えられています。

この両城跡は、仙波川と秋山川の合流地点付近に立地しますが、周辺は栃木北部方面と、足尾方面への分岐点になる場所でもあります。両城跡とも、こうした水利や交通における要衝の地をおさえる役目を果たした、佐野における北方拠点の城といえるでしょう。

正雲寺城跡(豊代城跡、佐野源左衛門常世館跡)
阿土山城の石積みの様子
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更新日:2019年12月02日