唐沢山城跡 本丸虎口の石垣解体に伴う発掘調査について

調査の経過

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石垣の取り外し作業


  唐沢山城跡保存整備事業として、本丸虎口の石垣(神社から二ノ丸に下りる階段の北側の石垣)の解体工事とそれに伴う発掘調査を実施しました。
  この石垣は織豊期(安土桃山時代)に築かれたものですが、一部が崩れ、また樹木の根が入り込んで石垣を押し出すなど、崩落の危険性がありました。そのため文化庁や史跡唐沢山城跡保存整備調査指導委員会から、早急に保存のための石垣修理を行うべきであるとの指摘を受け、今年度、解体工事とそれに伴う発掘調査を実施しました。
  解体前の発掘調査は、令和2年11月2日から11月30日まで実施し、主に石垣上面の掘り下げや解体前の現状記録を行いました。12月1日から12月5日にかけて、石垣(築石:つきいし)を専門の石工(いしく)のもとでクレーンを使い慎重に取り外し、築石裏側の石垣内部の構造を調査・記録化しました。この際に、石垣に食い込むかたちとなっていた樹根を除去しながら解体に必要な裏込め石等の取り外しもしております。また、平行して取り外した石材の観察・調査を行い、石材のデータや損傷具合なども記録しました。その後、12月11日まで必要な記録・調査を行っております。

調査の結果

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調査後の石垣上部の全景


この一連の調査の結果、次の様なことが分かりました。

1. この石垣に登る「雁木」(がんぎ:階段状の遺構)が石垣の東側で見つかった。

2. 石垣上面の土塁部分に石列が検出された。これにより石垣上に「櫓門」(やぐらもん)の

    様な建物施設のあった可能性が出てきた。

3. 唐沢山城跡における「鏡積み」の内部構造を明らかにすることができた。

(注 「鏡積み」:控えのない扁平な巨石を石垣面に立てて積む工法)

  今回の調査結果は、来年度に予定する石垣の積み直し工事に反映されることとなります。また、築造から400年以上にわたって残されてきた織豊期の石垣内部に光を当てた初めての調査として意義のあるものと考えております。

 

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1. 検出された「雁木」

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2. 土塁上の「石列」(手前の石)

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3. 「鏡積み」の内部構造

注意事項

・石垣及び取り外した石材は、令和3年度に実施予定の積み直し工事まで、養生を行いながら必要な記録を取るなどします。危険防止と遺構保護のため、石垣及び石材の仮置き場には立ち入らないでください。

この記事に関するお問い合わせ先
教育総務部文化財課

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更新日:2020年12月22日