大炊井戸(おおいのいど)

緑の木々とピンク色のつつじに囲まれ囲いの傍に赤と緑の幟が立っている大炊井戸の写真

城造りの際、深い堀や高い土塁・石垣を築くなど、防御の機能を高めて城の構造を堅牢にしようとするばかりでなく、水の確保にも意を注いだことでしょう。水は生活に欠く事のできないものであり、特に戦の際には飲用水の有無が重要でした。籠城(ろうじょう)する場合にはなおさらです。

唐沢山の山頂には築城に際して厳島大明神に祈請したとされる井戸があります。名を大炊井戸と言い、くい違い虎口から少し進んだ左手にあります。井戸の大きさは口径9メートル、深さ8メートル以上にもなる大規模なものです。

山の上にあって井戸を掘るため水脈を見極めることは難しかったことでしょうが、『校正続撰佐野記』には「手を以て土中を探りけれバ、たちまち清水湧出て一つの大井出現せり。(略)大井之水かるるいう事なし。」とあり、現在も豊かな水を蓄えています。
なお、井戸の内側には整然と石が組まれていますが、古写真から現在の石組は明治時代になってからのものと考えられます。

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更新日:2019年12月02日