唐澤山神社の文化財登録原簿への登録

登録有形文化財とは平成8年に発足した登録文化財制度により、築50年を経過し、一定の評価を得た歴史的建造物を文化財として登録し、ゆるやかな規制を通じて、保存や活用を図ろうとするものです。

佐野市富士町・栃本町地内に所在する唐澤山神社につきまして、8月7日付をもって、文化財登録原簿への登録がされ、以下の6件が国登録有形文化財になりました。これにより、市内の国登録有形文化財は27件となりました。

  1. 唐澤山神社本殿
    (からさわやまじんじゃほんでん)<建築年代 明治41年>
  2. 唐澤山神社拝殿
    (からさわやまじんじゃはいでん)<建築年代 明治42年>
  3. 唐澤山神社中門祝詞屋及び透塀
    (からさわやまじんじゃちゅうもんのりとやおよびすきべい)<建築年代 明治42年>
  4. 唐澤山神社参拝門
    (からさわやまじんじゃさんぱいもん)<建築年代 明治16年>
  5. 唐澤山神社神楽殿
    (からさわやまじんじゃかぐらでん)<建築年代 大正4年>
  6. 唐澤山神社神橋
    (からさわやまじんじゃしんきょう)<建築年代 大正13年>

唐澤山神社の概要

唐澤山神社は、佐野市の東北部標高242mの険峻な唐沢山の山頂に建てられています。この地は戦国時代に佐野氏の居城であった唐沢山城跡であり、山頂から山麓にかけ城郭遺構が良好に残されております。194haを超える広大な面積を有した関東屈指の山城として、同城跡は平成26年3月18日に国指定史跡となっております。

唐澤山神社の創建は、佐野氏の縁故者や旧臣によって設立された「東明会」により、佐野常民を主体者として創建されました。

祭神として天慶3年(940)に平将門を討って関東を平定した藤原秀郷を祀っています。秀郷は平安時代以来佐野庄の領主で、戦国期には唐沢山城主でもあった佐野氏の祖先であります。

神社の敷地は唐沢山城跡の本丸跡を中心としており、創建当時の施設は御霊代上屋、参拝門、玉垣のみの簡素なものでしたが、明治23年(1890)に別格官幣社になりました。これを機に、社殿改築に向けた計画がはじまり、現在鎮座する本殿(明治41年(1908))、拝殿(明治42年(1909))、中門祝詞屋及び透塀(明治43年(1910))、神楽殿(大正4年(1915))、神橋(大正13年(1924))がそれぞれ建立されました。

列格後に始まった明治20年代の改築計画には、宮内庁技師の木子清敬が関与し、明治39年の本殿工事の監督に、日光修繕事務所主任の星野男三郎が、そして本殿を除く二期工事の建物(拝殿、中門祝詞屋及び透塀)の設計は同事務所主任の大江新太郎です。

日光東照宮の修繕技師が一貫してその改築計画を担当したことは栃木県の近代建築に占める重要性は高く、また、大江新太郎が設計した和風意匠の建築としては最初の作品である可能性が高いという点でも価値の高い歴史的建物であります。

唐澤山神社本殿

唐澤山神社本殿

唐澤山神社拝殿

唐澤山神社拝殿

唐澤山神社中門祝詞屋及び透塀

唐澤山神社中門祝詞屋及び透塀

唐澤山神社参拝門

唐澤山神社参拝門

唐澤山神社神楽殿

唐澤山神社神楽殿

唐澤山神社神橋

唐澤山神社神橋

この記事に関するお問い合わせ先

教育部文化財課

〒327-8501
栃木県佐野市高砂町1
電話番号
(文化財保護係):0283-25-8520 (唐沢山城跡保存整備係):0283-85-7308
ファクス番号
(文化財保護係):0283-20-3029 (唐沢山城跡保存整備係):0283-20-3032
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更新日:2023年08月15日