渡辺崋山

更新日:2019年10月16日

渡辺崋山《風竹図》と「為書(ためがき)」の愉しみ

終了しました

開館10周年記念収蔵企画展

【併催】吉澤コレクションの陶芸

渡辺崋山《風竹図》当館寄託

会期

平成24年12月15日(土曜日)〜平成25年1月20日(日曜日)

会期中の休館日

毎週月曜日(12月24日、1月14日(月曜日・祝日)は開館)、12月25日(火曜日)
年末年始(12月29日〜1月3日)、1月15日(火曜日)

開館時間

午前9時30分〜午後5時

観覧料

一般500円(20名以上の団体は450円)
4月1日から、大学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は観覧無料になりました。
(注意)学生証・障害者手帳等をご提示ください。

注意点

(注意)都合により会期・内容が変更となる場合があります。

渡辺崋山の名品《風竹図》を楽しむとともに、画家が依頼者の名を記す「為書」に注目する展覧会です。

当館の「吉澤コレクション」の基礎を築いた吉澤松堂(しょうどう)(1789年(天明9年・寛政元年)〜慶応2年)は、天保9年(1838)に渡辺崋山(かざん)(寛政5年〜天保12年)から「風竹図」を描き贈られています。
崋山はこの画の傍らに「風に吹かれる竹の葉音に、民の悲痛な叫びを連想する」という詩を引用し、この詩の意図を汲んで貧しき者を庇護せよ、と述べています。
それから60余年を経た明治33年(1900)、松堂の孫・慎堂(しんどう)が、家の歴史を記した文章と共に「風竹図」を彫った石碑を自邸の庭に建立しました。これにより、この画は「代々書画を愛し、地域に貢献する」という同家の家風を象徴するものとなり、同家の人々の心の中に住み続けました。このように、絵画が「ただ鑑賞するもの」として以上の役割を果たす場合があるのは、大変興味深いところです。 この展覧会では、崋山「風竹図」が、どのような状況で生まれ、その後の吉澤家と共にどのように歩んできたのかを、作品や資料と共に見つめたいと思います。
この「風竹図」のように、東洋の書画には、「為書(ためがき)」など画に書き添えられた詩や文章から、人々の交わりを読み解くことができるものが少なくありません。その読み解きの面白さをご紹介しながら、吉澤松堂以降の4世代(江戸後期から昭和前半期)にわたる書画愛好の流れをたどります。

崋山展覧会において人々が作品を見ている風景の写真

展覧会風景

主な展示作品

高久靄崖《山水図》当館蔵

古澤雪田《花鳥図》当館蔵

高久靄崖画・大窪詩仏題《芦華図》当館蔵

福田鳴鵞画・勝海舟賛《山水図》
当館蔵

渡辺崋山《山水図扇面》、《花の山図扇面》、《国色天香図扇面》、《風竹図(為三輪洞水)》
「封廻状(蛮社の獄判決概要)」、「吉澤家世碑拓本(原寸)」、「昭和天皇御巡幸写真」
吉澤松堂《墨竹図巻》当館蔵、吉澤象水(田崎草雲補筆)《山水図》当館蔵
牧田水石《墨竹図巻》当館蔵、小田甫川(ただしくは草冠に甫)《崋山筆墨竹図模本》ほか

吉澤コレクションの陶芸―ふたのあるかたち

板谷波山《氷華磁葡萄彫文水差》当館蔵
付属:鏨金彩栗鼠打出文南鐐之蓋(鹿島一谷)、黒漆塗蓋(田口善国)
富本憲吉《白磁蓋付小壺》当館蔵、藤田喬平《飾筥「夢殿」》当館蔵ほか

会期中の催しもの

終了しました

本展覧会限定「竹みくじ」

本展出品作品にちなんだユニークなオリジナルおみくじです。
展覧会を鑑賞される方はもれなくひけます。
くじで引いた作品をじっくり見ると、良いことがあるかも!?

  • 期間:平成24年12月15日(土曜日)〜平成25年1月20日(日曜日)

金運アップ!?巳(ヘビ)をめぐるスタンプラリー

美術館・化石館・伝承館・博物館の各館でそれぞれ「巳」(ヘビ)にまつわる作品・資料(1点〜)を展示します。 全館制覇で素敵なプレゼント進呈(先着順、詳細はお問い合わせください。)

  • 期間:平成24年12月15日(土曜日)〜平成25年1月20日(日曜日)

(注意)葛生伝承館は1月7日(月曜日)〜13日(日曜日)まで展示替休館
休館中は化石館に伝承館スタンプを設置します。

各館情報

葛生化石館(入館無料):「新着標本展」12月1日〜3月3日
葛生伝承館(入館無料):「吉澤人形首展」1月6日まで、「むかしの着物展」1月14日〜3月31日
郷土博物館(入館無料):「常設展」12月28日まで、 「くらしのうつりかわり〜古い道具と昔のくらし〜」1月4日〜2月24日

作品鑑賞会〜当館学芸員とご一緒に〜

  • 日程:12月15日(土曜日) 午後2時〜(40分程度)
  • 場所:美術館展示室(エントランス集合)

当館学芸員が作品解説を行います。

スライドトーク「じっくり見ようこの1点」

渡辺崋山《風竹図》

  • 日程:1月12日(土曜日) 午後2時〜(40分程度)
  • 場所:地域交流室(美術館内)

当館学芸員が作品解説を行います。

(注意)各日とも自由参加、当日の観覧券が必要です。

開館10周年記念図録の販売

開館10周年記念図録『佐野市立吉澤記念美術館コレクション選』の表紙

開館10周年記念図録『佐野市立吉澤記念美術館コレクション選』を発行しています。当館ミュージアムショップでお求めください。
送付をご希望の方はお問合せください。

  • 発行年:平成24年(2012)
  • 価格:1,200円(税込)
  • 図版数:191点(カラー)
  • 頁数:160頁
  • サイズ:25.7(縦)×18.2(横)センチメートル

図録内容

再録論文等

『吉澤コレクションの軌跡』葛生町立吉澤記念美術館(当館旧名称)、平成14年より

  • 吉澤兵左「美術館開館を迎えて」
  • 大島清次「葛生の風土とともに」
  • 河野元昭「吉澤コレクションの近世絵画―文人画を中心に」
  • 上野憲示「吉澤家十一代当主吉澤松堂と高久靄崖、渡辺崋山」
  • 狩野博幸「菜蟲譜について」
  • 荒川正明「板谷波山と吉澤コレクション―陶芸をめぐる出会い―」

新規収録記事等

末武さとみ「吉澤コレクションについて」、同「作品解説」

内容・展示作品について

予告なく内容・展示作品等が変更となる場合があります。あらかじめご了承下さい。

この記事に関するお問い合わせ先

佐野市吉澤記念美術館

〒327-0501
栃木県佐野市葛生東1-14-30
電話番号:0283-86-2008 ファクス番号:0283-84-3655
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