釉薬の上と下

更新日:2019年10月11日

釉薬の上と下 近現代陶芸の色のありか

終了しました

収蔵企画展

板谷波山《彩磁草花文水差》当館寄託

会期

平成27年9月5日(土曜日)〜12月13日(日曜日)

会期中の休館日

毎週月曜日(10月12日、11月23日は開館)、祝日の翌日(10月13日、11月4日、11月24日)

開館時間

午前9時30分〜午後5時

観覧料

一般510円(20名以上の団体は460円)
大学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は観覧無料
(注意)学生証・障害者手帳等をご提示ください。

注意点

(注意)都合により会期・内容が変更となる場合があります。

無料開館

10月25日(日曜日)
(注意)葛生ワンダーランド(葛の里壱番館)開催に伴い、当日はどなたでも無料でご覧いただけます。

解説

 佐野市立吉澤記念美術館は、近代日本陶磁の高峰・板谷波山のコレクションで知られ、波山を慕って「彩磁」〈さいじ〉などに取り組む作家の作品も多く収蔵しています。波山が創始した「彩磁」は、釉薬をかける前の素地に彫刻をほどこし、水溶性顔料(素地にしみこむタイプの絵具)による着彩を行うもの——つまり「釉下彩〈ゆうかさい〉(下絵付)〈したえつけ〉」の一種です。また波山は、まるで上から薄い絹をかぶせたように釉下彩の色彩を和らげる効果を持つ「葆光釉」〈ほこうゆう〉などを開発しており、釉薬と釉下の色彩との関係を熟知した上で独自の表現を作り上げています。 波山を中心に、彩磁やそれに類する技法で制作する近現代の作家を取り上げます。 なお、釉下への絵付としては「染付」〈そめつけ〉や「鉄絵」〈てつえ〉など、近代以前から行われてきた技法があり、田村耕一(鉄絵)らによって取り組まれ、 多彩な広がりを見せています。
 いっぽう、江戸時代以来多く行われてきた色彩豊かな「色絵」は、釉薬の上から着彩・描画を行う「釉上彩〈ゆうじょうさい〉(上絵付)〈うわえつけ〉」です。富本憲吉など多くの作家により多彩な表現が行われています。透明感のある「和絵具」のほか、不透明な「洋絵具」による表現、金銀彩などを紹介します。
 以上のように、この展覧会では、板谷波山らによる「彩磁」を中心に、陶芸作品の着彩・描画が釉薬の「上」「下」どちらに行われているかという点に注目して、当館収蔵品を中心とする近現代日本陶芸作品約60点で構成します。色彩と釉薬の関係や、各技法の特性を理解した上で作品を鑑賞することにより、色の深みや質感など、作品の魅力を一層深く味わっていただけることと思います。

主な展示作品

富本憲吉《色絵金銀彩羊歯模様水指》
当館蔵

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楠部彌弌《彩エン薫風香炉》当館蔵

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田村耕一《鉄絵竹鷺文壺》当館蔵

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島田文雄《彩磁三光鳥文大皿》当館蔵

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齊藤勝美《彩磁朝鮮朝顔ニ尾長群翔文大壺》
当館蔵

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廣瀬義之《釉彩色絵向日葵文陶筥》
当館寄託

主な作家

板谷波山、富本憲吉、楠部彌弌、宮之原謙、加藤卓男、田村耕一、河合誓徳、島田文雄、前田正博、川瀬竹志、廣瀬義之、齊藤勝美、藤井隆之

会期中の催し物

終了しました

陶芸体験教室「釉薬の下に色をつけよう!—彩磁で若冲の陶板画を作る」

  • 日時:平成27年9月19日(土曜日)午後1時〜4時
  • 講師:迎泰夫氏(陶芸家)
  • 定員:一般20名(申込先着順)
  • 参加費:材料費ほか(未定)
陶芸体験教室、陶板画の作品イメージ

(注意)出来上がりのイメージ

陶芸体験教室「釉薬の下に色をつけよう!—彩磁で若冲の陶板画を作る」を開催しました

釉薬の下に彩色を施す技法「彩磁(さいじ)」を用いて、当館のイメージキャラクター(?)伊藤若冲「菜蟲譜」のカエルの陶板画を作成しました。陶芸には様々な工程がありますが、今回は釉薬を掛ける前の下絵付けにチャレンジしました。 皆さん集中して取り組み、あっという間の3時間でした。焼き上がりが楽しみですね。ご参加の皆様、ありがとうございました。

陶芸体験教室の様子の写真

(1)原画をトレーシング・転写

(2)水溶性顔料による彩色

(3)弁柄(ベンガラ)で骨描き

講演会  「釉の下の世界競争—板谷波山、その革新の背景」

  • 日  時:平成27年10月31日(土曜日)  午後2時〜3時30分
  • 講  師:花井久穂氏(茨城県近代美術館主任学芸員)
  • 定  員:50名(申込み先着順)
  • 参加費:無料(展覧会の観覧は有料)

講演会  「釉の下の世界競争—板谷波山、その革新の背景」を開催しました

板谷波山の技法「彩磁(さいじ)」誕生の背景となった、19世紀末から20世紀初頭の「釉下彩(ゆうかさい)」技術の世界的な開発競争についてスライドを交えてお話いただきました。
ご参加の皆様、ありがとうございました。

釉薬の上と下講演会の様子の写真1
釉薬の上と下講演会の様子の写真2

作品鑑賞会〜当館学芸員とご一緒に〜

  • 日程:10月4日(日曜日)、11月7日(土曜日)、12月13日(日曜日)
  • 時間:各日午後2時〜(30分程度)
  • 場所:美術館展示室(エントランス集合)(注意)当日の観覧券が必要です。

当館学芸員が作品解説を行いながら、皆さまと一緒に作品鑑賞を行います。

内容・展示作品について

予告なく内容・展示作品等が変更となる場合があります。あらかじめご了承下さい。

この記事に関するお問い合わせ先

佐野市吉澤記念美術館

〒327-0501
栃木県佐野市葛生東1-14-30
電話番号:0283-86-2008 ファクス番号:0283-84-3655
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