平成22年度の調査成果

十字の形に掘られた土の中に積み上げられた石積みの写真

唐沢山城跡国指定史跡化調査事業も本年度で3年目となり、平成22年度も残り僅かになってきました。そこで、今回は今年度の遺構確認調査の主な成果をご紹介します。

調査箇所は昨年度まで調査を行ってきた栃本側にある根小屋地区の隼人屋敷東側で、御台所(おだいどころ)と呼ばれる場所の周辺になります。調査では写真にある石列などを確認しました。 この石列は長さ約6メートルで、最大3段の石積みが認められ、両端で逆方向に折れていました。調査範囲が限られているため断定できませんが、整地された土層も観察できたことから、建物施設に関連したものである可能性が考えられます。

なお、御台所については古記録に「下御屋敷」の記載がある場所です。また、周囲を大きな堀と土塁が巡ることから、この場所は特別な空間であることが見てとれます。この付近の空間的性格を把握することは根小屋地区や唐沢山城跡を理解する上で重要な意味を持つことになるでしょう。このため、来年度もこの周辺の調査を継続していくことを検討しています。

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更新日:2019年12月02日