山中で獸などに偶然出合うことをデッカスという

街角で思いがけなく昔の友だちに出会ったり、野や山で偶然にいのししや鹿などに出合ったりすることがあります。このように偶然に出合うことを共通語では、“出交わす"といいます。まれには“かち合う"とか“行き合う"“鉢合わせする"などということもあります。方言では、偶然に出合うことを一般にデッカスといいます。このデッカスは、「出交わす」が変化したものです。“出交わす"とは、出合いがしらに、お互いに目と目を交わし合うことでこれが本来の意味です。

「山のテンジョクダマ(頂上)付近にブチカッテ(腰をおろして)休んでいたら、山のモコーガワ(反対斜面)で、かさかさ音がするンでナンダンベ(何だろう)?そっと行ったら、なんと熊にデッカシタ。だが、熊もビックラコイテ(たまげて)、ヌゲテ(逃げて)ったよ」

“出くわす"を強めると、“出っくわす"になり、さらに変化したのがデッカスです。中高年者の多くは、このデッカスを使っています。でも、最近は使う人が少なくなりました。思いがけず出合うという意味の方言があります。それはデッカセルとデッカサルです。いずれの方言もデッカスと意味も用法も同じです。

「山できのこを探して、あちこち歩き回っているとき、ボットシたら(もしかしら)オッカネー獣にでもデッカセルン
ジャーネーかと内心びくびくしてましたよ」

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日