樹木に関する方言と林業用語‐丸太を“ホタ"という‐

田沼や葛生地方は山地が多いため、住宅地のほとんどは森林に囲まれています。かつてこの地方の人たちは、農業のかたわら林業や製材業にたずさわり、それによって生計をたてていました。このような環境で樹木に関する特殊なことば(林業用語)が使われ、地域独特の方言が使われるのはごく自然なことでした。これらの主なことばは、今でも受け継がれています。

切り倒した丸い材木は、長さや太さに関係なく、“まるた"あるいは“まるたんぼう"といいますが、方言ではこれを、ホタ(ボタ)とかホタンボー(ホダンボー)などといいます。

まるたは、普通3メートルほどの長さに切りますが、これもホタ(ホダ)・ホタンボーといいます。

「山っ際にあるドバ(まるたの集積所。土場)には、ホタンボーが山ほど積んであったデー(よう)。あんなにアッチャー(あっては)、トラック何十台分もあるダンベー」

杉や檜が成長するために、質のよくない木は切り倒さなければなりません。これを間伐といい、方言ではホダギリといいます。ホダは“まるた?の意。ところで、杉や檜は総称してアオキといいます。一年中葉が落ちず、緑色をしているからです。

まるたを柱や板にするために、3メートルほどの長さに切ることをタマギルといいます。切ったまるたはタマ・クルといい、一本、二本、三本の“本"という意味です。木の根元の方から、ヒトックルまたはモトックル(ヒトッタマ)、フタックル(フタッタマ)、ミックル(ミッタマ)といいます。「この杉は伸びがいいから、ヨックル(4本)グレーは取れるダンベー」

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日