時間的にも肉体的にも楽だということを、タワエ(モ)ネーという

二つ以上の方言に、意味の似かよっているものがあります。中高年者が多く使用するワキャーネー・ゾーサネー・タワエネー(タワエモネー)などはそのいい例です。これらの方言は、いずれも同じような意味で、違いの境目がないようなものばかりです。それにしても同じような意味・用法をもつ方言が、同じ地域に三つも存在するというのは、きわめてめずらしいことです。

もっともよく使われている方言はワキャーネーです。物をつくったり動かしたり、食事をこしらえたりするときに、手際よくさばくようすがきわだっていることを、ワキャーネーといいます。ワキャーネーは、物事のすすむ時間的な速さをいいます。

「庭が広くっタッテ、手先の器用な若者がイリャー、草取りなんかワキャーネー」

ゾーサネーの「ゾーサ」は、物をつくることです。それには手間と費用がかかり、面倒でやっかいだというのが元の意味です。

「料理ッタッテ(といっても)、もともとこれだけの材料しかナカンベー(ないでしょう)、だからコシャエル(つくる)ンもゾーサネーコッタよ」

タワエ(モ)ネーは、ある行動をしても、何の手ごたえも感じず、また苦労もせずスムーズに流れるようなさまをいいます。肉体的にも精神的にも楽だという意味です。

「どこへ行くンダンベか。アスコへ行って来るくらいならタワエ(モ)ネーけどさ」

(市民記者 森下 喜一)

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更新日:2019年12月02日